乞ウモリ (ページ43)

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beg.42 / 魔法使いのルール－J ページ43

1つの体に、2つの人間。

だからこそ、“ 共有 ” と “ バランス ” をルールとした。

お互いに、平等に時間と自由が渡るように。

どちらかが不利にならないように。

上手くやっていこう、と。

俺が嵐になると、

そのルールを破ることになるから

ちゃんと断りを入れたんだ。

ごめん、と。

夜は必ず譲る、と。

するとアイツは、いいよ、と。

そう言った。

許可を出した。

「許可を出したのに…
夜飲み過ぎたのはソノ子で
ソノ子のせいで松潤に二日酔いの症状が出て
ソノ子が飲むのを止めないから、何日も続いて

挙句の果てに、
ソノ子が飲みに行ったまま帰って来なかったから
2時間も遅刻したってこと？」

「うん。
その上、メモにも飲み過ぎたとしか書かれてなかったから
どこでどう飲んでたかも
相葉くんに会ったことも、聞いてなかった」

現実離れした話を、意外と上手く理解してくれたようで
要約までしてくれた。

フタリの人間が居ても

体がヒトツしか無いから

体が無ければ、何も出来ない。

記憶だって

ちゃんと伝えてくれないと、

“ ヒトツの人間 ” として振る舞えない。

あのコトで

アイツは、“ 共有 ” というルールを破った。

でも、それはきっと───────

「でもそれ、わざとってことだよね…？」

わざと。

そう、わざとだ。

【壊してやる】

何日も飲んだことも

記憶を伝えてくれなかったことも

体を返してくれなかったことも

この、急に放り投げられた

恨みの言葉で説明がつく。