beg.41 / 魔法使いのルール −J ページ42
「……仲良くやってたんだ」
ずっと手を握っててくれる相葉くんに
心底安心しながら
続きを口にした。
仲良くやってた。
……“やってた？”
「過去形…じゃなくて、今も…のはずなの…」
「はず…？」
「お互いの存在を知った時から、仲良くやってきた。
小中学生の時は、行く曜日を分けたりした。
記憶は繋がらないから…、寝る時に、メモに一日の出来事とか、やってて欲しいことを書いたり。
それは、今もやってる」
思い出す。
戸惑いながらも
楽しんでた。
性格も、特技も違う俺達は
まるで魔法使いみたいに、
いろんなことが出来た。
「メモって…、もしかしてあの、“壊してやる”ってやつ…？」
「あれが…初めてだった。
報告でも日記でも無く、ただ恨みだけのメモ…」
思い、出す。
アイツの字で書かれた、
恨みの籠った言葉。
“ 共有 ” という優しさを潰した、
アイツの怨恨。
「じゃあ…松潤が、俺じゃないって言ってたのって
二日酔いと、遅刻のこと…？」
「…うん、」
「え、でも…その、仲良く…してたん、でしょ？」
どんな表現が合っているのか分からない、と
正直に伝えてくるような相葉くんは
まさに言葉を選んでそう言った。
「してたよ。
俺が、ジャニーズに入るっていう夢が出来た、って言った時も
アイツは応援するって言ってくれた。
仕事が入りだして、アイツに時間を譲れなくなって
ごめん、って断りを入れた時も
全然大丈夫、って言ってくれた」
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作者名：つむぐ
| 作成日時：2019年3月26日 2時
