乞ウモリ (ページ22)

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beg.21 / 密人が願うのは－J ページ22

切り出したかと思えば

予想もしていなかった言葉に、

素っ頓狂な声が出てしまった。

「いや、あの…、
何日か前の深夜にさ、俺、松潤に似た人と会ったの。

…いや、正確には松潤だったんだよね。
でもさ、松潤はそれを覚えてなくて…

会話の内容も、覚えてないみたいだからさ。

俺、もしかしたらあれが松潤なんじゃないかって…

いや、でも──────…」

混乱状態の相葉くんの話に

少しの間、思考回路が停止した。

未だ、混乱したまま話している彼の声が

耳に届かない。

「……ちょ、…っと、まっ…」

「ん？」

まて。

ちょっと待ってくれよ。

彼が話したことが

単語となって頭に浮かぶ。

“ 深夜 ”

それだけで、すぐに分かるんだ。

待ってくれよ。

それだけは。

どうか、嘘だと。

「……どんな、会話…だった？」

「え？あ…、

松潤？って話しかけたら、
松潤なんてやめてよって言われて…

それで、じゃあ潤ちゃん？って言ったら、嬉しそうに笑ってた」

「あ、だからあのとき、あの質問したの…？」

「うん、
そしたら松潤、俺そんな事言わないって言うからさ。
俺、混乱しちゃって」

“ 松潤なんてやめてよ ”

その言葉と

4日も続いた二日酔いと

遅刻したことと

“ 壊してやる ”

その、恨みが溢れたメッセージと。

それらで、全てが繋がった。

謎が解けた。

俺を苦しめるには

メンバーを使うのが一番だと

アイツは知ってるんだ。