beg.20 / 彼のミスは“軽率” −J ページ21
撮影終わり、
何故か2人で飲むのを隠したがる相葉くん。
そんな彼を配慮して、
駐車場で彼が来るのを待ってから、2人で家に向かった。
どこか店を探そうかと提案したけれど、
ゆっくり話がしたいと言われたから
家で寿司の出前を取ることにした。
キッチンで寿司に合うお酒を探しながら、
ソファに座る彼の表情をチラリと覗き見ると
やけに難しい顔をしていた。
「あ、ごめん相葉くん、出前受け取ってくれる？」
「あ、うん」
丁度届いた出前を相葉くんに任せて、
合いそうなお酒を見つけてグラスを用意する。
「これでいっか」
グラスを2つ並べて
それに微かに映る自分に気付いて、
脳内にあのメッセージが浮かび上がる。
“ 壊してやる ”
すぐに分かった。
あの特徴的な字。
他人からしたら特徴的じゃなくても、
俺から見ればすぐに分かる。
ただ、どうしたいのか。
『応援するよ』
そう、書いてくれたはずなのに。
俺に恨みを向けたところで、
一体どうしたいんだ。
「…松潤？」
「え？」
「お酒いれないの？」
「あ、うん、いれるよ、ごめん」
ボーッと考えていると
相葉くんが横に居たのも気付かず
不思議そうに顔を覗かれた。
「おまたせ」と言ってテーブルに向かい合って座り
「穴子は置いといてあげるね！」なんて可笑しそうに言う相葉くんと、
少しの間仕事の話をしながら飲んでいた。
「…あの、さ？」
「ん？」
彼のタイミングがあるんだろうと待っていると
話が一段落したとき、やっと切り出した。
「あの…、なりすましとか、されてる？」
「………は？？」
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作者名：つむぐ
| 作成日時：2019年3月26日 2時
