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「なあ、烏野の奴ら起きてくるの遅くねえか?」

 朝の食堂。海はいつも通りに盆を取って配膳列に並んで朝飯をよそってもらい、黒尾の隣の席についた。夜久を待って黒尾と少々雑談をしていると、その夜久が「ワリー」と片手を上げながらやってきた。

 そこで少し食べ進めてからの、先程の夜久の台詞である。

 「……確かに、ちょっと遅すぎるな。いつもならもうチビちゃんとかセッター君とかニシヤ君は来てるはずなのに」
 「だよな……つーか、"ニシヤ"じゃなくて"ニシノヤ"な」
 「マジか」

 そう言いつつ、朝飯を咀嚼して腹に入れる。

 2人より少々先に食い終わっていた海は、ガタッと席を立った。

 「俺、烏野の教室行ってくるよ。流石におかしいからな」
 「どうせ仲良く寝転けてるんじゃねーの?あいつら家族みてーだし」

 黒尾が欠伸を噛み殺しながら言った。

 「だといいけどな。じゃ、行ってくる」
 「おう、頼んだ」

 二人に踵を返して、海は烏野の教室へと足を進めた。





 コンコンコン。
 ノックの乾いた音が誰もいない静かな廊下に響く。海は首を傾げた。今までであれば、すぐに誰かが返事をして戸を開けてくれたのだ。それが、今は何も起こらない。それどころか、戸の向こう側では物音ひとつしない。まるで、誰もいないというように。

 ……ここでいよいよ海の額に冷や汗が滲む。海は意を決すると「入るぞー」と一声かけて、目の前の戸をガラガラと横に引いた。

 「朝飯食い損ねる、ぞ……」

 海は言葉を無くした。いや、続ける相手が居なかったのだ。

 「……どういう事だ……?」

 声が震える。目の前に広がる光景に、言葉が見つからない。誰もいない。誰一人。昨夜まで一緒に合宿をしていた烏野の面々が、部屋をもぬけの殻にして姿を消していたのだ。

 「……黒尾ッ!!」

 海は暫く呆然と突っ立っていたが、弾かれたように元来た廊下を走って引き返した。

 不可解な事件は、始まっていた。

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ゆぃ 木下推し - 続きがとても気になっています。更新頑張ってください。 (2018年4月20日 19時) (レス) id: c0bf554f1b (このIDを非表示/違反報告)
かもめ - えっヤバイ泣く(((←澤村さんと菅さんかっこいい(泣)木下大丈夫かな…。更新頑張ってください! (2017年12月4日 19時) (レス) id: f91e668e34 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 木下大丈夫ですか?!更新待ってます!! (2017年7月17日 13時) (レス) id: 391e8e1f2a (このIDを非表示/違反報告)
お稲荷さん - 更新待ってます! (2017年3月28日 20時) (レス) id: ce477b9b81 (このIDを非表示/違反報告)
菅島さや衛門(プロフ) - 恋人未満(空中浮遊)さん» 空中浮遊さんの小説本当に大好きです!更新待ってます!! (2017年3月20日 21時) (レス) id: fb8535b8cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空中浮遊 x他1人 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2016年12月31日 20時

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