【HQ】鈍感少女 vs モブイン少女

753. プロからの話 ページ43

貴方side



天「若葉さん……ちょっといい？」


制服に着替えている最中、瑜伽さんが話しかけてきた。

あのあと、私たちも先輩に準備していなかったことを謝って、部活をなんとか進めることが出来た。

ようやく部活が片付けに入った時、瑜伽さんの口から出たのはやっぱり退部をするということだった。

自分の目的は果たせたし、元々やる気があるわけではないから、ここにいると逆に迷惑だと言って。

今まで出会った中で、一番仕事をしてくれる子だったこともあって、少し残念だった。

誤解が解けたから退部しないと思っていたのに。

仮入部が今日までだから、しょうがないことは分かっているんだけどね。

少しだけ寂しく思いながら、更衣室で着替えようとして冒頭に戻るのである。


貴「どうかした？」


振り向いてみると、瑜伽さんは珍しくも目を泳がせていて、何か迷っているように見えた。

不思議に思っていると、瑜伽さんは意を決したようにゆっくり瞬きをして、私と目を合わせた。


天「貴方に、話さないといけないことがあるの」


そう言った瑜伽さんの顔は、真剣そのものだった。

少しだけ緊張が走る。


天「私ね、もともと悪女を見つけて貶めることを目的とした行動をいくつもしてきた。だから、悪女のことには、他の人よりも詳しいつもり。若葉さん、結構大変なことになってるよ」


瑜伽さんの言い方には、少しだけ聞き覚えがあった。

中学の時に私を虐めた嘉手裏さん。


維『あんた、凄いやつを敵に回したね』


バレー部を退部した後に言われた言葉が、脳裏を過った。

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