【HQ】鈍感少女 vs モブイン少女

748. 見ていたら事実 ページ38

天「じゃあ、次の人ですね。えっと確か……盗撮されたっていうのは？」


盗撮なんて、自作自演しようものなら簡単に出来る。

携帯のカメラも解像度が高いし、オート機能がついているカメラもある。

共犯者がいれば、その人に撮らせることだって出来る。


及「あの子ね……盗撮はAちゃんだけじゃなくて、俺たちもされたからね。知らない？ガッツリSNSに載せられてたの」


そう言えば、風の噂でそんな情報があったような。

及川徹の場合、盗撮は結構な頻度でありそうだからあまり大事には見ていないけど、他の部員もあるとなると確かにそれは悪質だ。

確か、フォロワー1万くらいいた生徒が、思いっきりバレー部の様子を動画や画像におさめて投稿していたと聞いた。

SNSなんていくらでも成りすましがきくから、あまりアテにはしていなかったんだけどね。


天「実際のものは見たことがないですけど、噂では聞いたことがあります」

及「ふぅん、噂ね……」


及川徹が何かを言いたげに目を細めた。

何か嫌な予感がして、私は次の質問に移った。


天「じゃあ、あの、嫌がらせというのはどういった類のもので？」


及川徹の視線から逃れるように、私は質問してしまった。

いやでも実際、あの見透かされているような目は苦手だ。

自分がここで不利になると、真相を突き止められなくなりそうだし。

及川徹は、少し考えるような素振りを見せてから口を開いた。


及「俺も全部把握しているわけじゃないけど、目の前で嫌がらせを見てしまったら、もうそれは注意するしかないよね？」


こっちも見ていたか……。

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