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701. 人を助けるために ページ6

その後すぐに、及川や他の部員もやってきて大騒ぎになった。

花巻が女子生徒を取り押さえ、松川は職員室へと走っていった。

金田一と国見は、女子生徒の顔を見るなりやっぱりという顔をしている。

こいつか……この間Aを追いかけていたやつは。

女子生徒は、なんとか花巻の手から逃れようと暴れるが、運動部男子の力の方が圧倒的に強い。


「放してよ、私が何したっていうの!」


ついには、そう叫び出した。


花「お前が、若葉と岩泉をカッターで傷つけたんだろ!野放しに出来るか!」

「そんなことしてないわよ!そっちから来たんじゃない!」

花「は?ンなことあるかよ!」


花巻が、理解不能と言いたげな顔をする。

確かに、俺もAもやられっぱなしで傷つけられたわけじゃない。

Aは俺を庇って、俺はAを庇って傷ついた。

明確な殺意をもった女に、俺たちは危険だと判断して、自分よりも他人を助けるために傷ついたのだ。


「あんたなんかに触られたって、ちっとも嬉しくないわ!私は岩泉先輩がいいの!岩泉先輩じゃなきゃ嫌なの!」


そう暴れ回り、ついには花巻を勢い余って突き飛ばしてしまった。

バランスを崩して尻もちをついた花巻の手から、カッターが滑り落ちる。

その音で、Aが花巻さんの方を振り向いた。

その隙に女子生徒は、カッターを奪い返し、カチカチと音を立てながら俺らに近づいてきた。

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作者名:くれは* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年5月16日 19時

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