449. 忘れてよろしい ページ2
レジでスポドリの粉末を買い、クロを探すために早歩きで店内を回る。
しかし、クロの姿は一向に見つからない。
あれ、確かこの辺にいたはずじゃ……。
そう思った瞬間、視界が暗くなった。
誰かに手で目隠しをされたようだ。
黒「だーれだ?」
貴「クロ」
クロが聞くのと、私が答えるのがほぼ同時だった。
すると、クロが手を離して視界が明るくなる。
黒「バレたか〜。まあ、流石に声で分かるよな」
貴「うん。……あ!パニーニって言うの忘れた」
黒「それは忘れてよろしい」
両肩を掴まれたと思ったら、諭すように言われてしまった。
あ、本当に言って欲しくないんだな、クロ。
黒「で、お目当てのものは買えたか?」
貴「うん!」
黒「じゃ、帰るぞ」
くるっと背を向けたクロの後に、私が続く。
なんか、クロもお兄ちゃんみたいだな。
私の周りには、お兄ちゃんみたいな人がたくさんいる。
……ホントにお兄ちゃんになってくれたら良かったのに。
そうしたら、毎日楽しいだろうなあ。
皆が私のお兄ちゃんになった時のことを想像して、思わず笑みが零れた。
それだけでも、幸せな気持ちになれるなんて、単純思考かな?
黒「おい、何ニヤニヤしてんだ、お前?ついに暑さでぶっ壊れたか?」
どうやら、にやけていたことに気づいていたらしい。
慌てて顔を元に戻そうとするけど、上手く出来なくて、傍から見ると道を歩きながら百面相しているようにも見える。
それを見たクロが、笑い声を漏らした。
黒「お前、何やってんだよ。普通の顔になるのここまで下手なやつ初めて見たよ」
クロが言うってことは相当だ……。
煽るのが上手いせいか、少し悔しい。
何か言い返してやろうかと思った時だった。
貴「あ……」
私の体がゆっくりと傾いた。
296人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
naonao(プロフ) - 続編多くて嬉しいです。応援してます! (2021年10月5日 5時) (レス) id: d20e044f3d (このIDを非表示/違反報告)
なな - めっちゃおもろいです!これからも応援してます!やっぱりり夢小説は、ハイキューだよねー (2020年10月19日 22時) (レス) id: e8db370297 (このIDを非表示/違反報告)
好きな給食はポメラニアン - あと、ログインが勝手に消えてて、再ログインしようとしても無理なんですが、どうすればいいですかね? (2019年9月2日 22時) (レス) id: 942676f078 (このIDを非表示/違反報告)
好きな給食はポメラニアン - ずっとめっちゃ応援しています!あと投稿の一番下で、用事が多いみたいなのでくれぐれもお身体、壊さないでくださいね。 (2019年8月30日 23時) (レス) id: 0a1a50f965 (このIDを非表示/違反報告)
游 - 遅れました、続編おめでとうございます!これで12作目ですねw毎日更新お疲れ様です!頑張ってください! (2019年8月21日 17時) (レス) id: f2ddedb80a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ