431. 及川は鋭い ページ31
岩泉side
今日1日、俺はずっとAに避けられていた。
まだ怒ってるのだろうか?
俺と目も合わせないし、俺が話しかけようとしても誰かのところに行っちまう。
俺としては、すぐにでも誤解を解きたいし、音駒の手伝いをしてることが本当なのかどうかをAの口からちゃんと聞きたいんだが。
まだしばらくは無理なのか?
及「岩ちゃん、Aちゃんとなんかあったの?」
練習が終わり、食堂へと行く道中、及川に聞かれた。
まあ、あれだけ避けてたらそのうち気づかれてもおかしくはないか。
けど、及川になんて言う?
來埜崎の代わりに音駒の手伝いしてるなんて言ったら、アイツはぜってえ怒り狂う。
せっかく木兎とも仲良くなったみてえだし、主将同士の喧嘩を後輩たちに見せるわけにもいかない。
岩「ちょっとな……喧嘩した」
及「喧嘩ァ!?」
廊下に及川の素っ頓狂な声が響き渡った。
やめろよ、廊下は無駄に響くんだからよ。
及「なんで!?珍しい!」
原因を聞いてくる及川。
まあ、聞きたくなる気持ちも分からなくはないが、原因を言う訳にはいかない。
及川は鋭いやつだ。
変なところを濁せば、より疑う。
ここは、原因自体を隠した方が良さそうだ。
岩「まあ、ちょっとした誤解だ。すぐ解ける」
及「……ふぅん」
及川が、無理矢理俺と目を合わせて声を漏らした。
これは何か勘づいたパターンだな……。
この話は及川が絡むと厄介になる。
出来れば、これ以上勘ぐられるのは避けたい。
岩「何やってんだよ。早く飯行くぞ」
及「分かってるよ。あーあ、今日のご飯何かな〜!」
若干棒読みっぽく言って、俺に合わせる及川。
これは、なんか隠してんのバレてんな。
心の中で及川が何もしないことを願いながら、俺はさっきから鳴る腹を押さえ、食堂へと急いだ。
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すいま - さすが。おつよい。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: cbeac085fa (このIDを非表示/違反報告)
なな - 私くれはさんの小説大好きだよ!!!だからこれからも頑張って!! (2020年10月18日 21時) (レス) id: 260f58deaf (このIDを非表示/違反報告)
游 - 最近忙しくて、コメントできてなくてすみません…。もう1年たったんですね!!早かった…。今も昔も、変わらず大好きです。応援してます! (2019年7月31日 20時) (レス) id: be253de246 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーや(プロフ) - 1年おめでとうございます!!これから鈍感少女シリーズ楽しみにしてます!更新頑張ってください!! (2019年7月20日 20時) (レス) id: 2f26a9a0e1 (このIDを非表示/違反報告)
うどん - 面白すぎて一気読みしました!荒らしにめげないその精神がすごいと思います!これからも頑張ってください! (2019年6月30日 15時) (レス) id: d635d54193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くれは* | 作成日時:2019年6月14日 19時