「愛」ってなんですか!?【轟焦凍】 (ページ48)

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142. 複雑な感情ページ48

峰田が知り合いの家に行くと言い、その場はすぐにお開きとなってしまった。

轟とAは、緑谷たちと別れて轟の部屋へと戻る。

峰田はゲス顔で轟を睨んでいたが、轟のポーカーフェイスには敵わなかった。

DVDを峰田に返したため、することがなくなった2人。

勉強道具を1箇所にまとめていたAに、轟は何か声をかけようとした。

しかし、何を言えばいいのか分からない。

轟は気づいていた。

峰田が他の皆と言い合ってる中、1人だけどこか違う場所を見ていたAに。

何やら真剣な顔をしていたAを見て、轟はまた複雑な思いが込み上げてきた。

Aと一緒にいる時間を楽しみたいと思う反面、いつか終わりが見えてしまう仲なら、この先の事を考えるべきではないのかという思いが。

Aが保留にしている間は、少なくとも轟と離れることはないだろう。

しかし、Aが自分がどうするのかを決めた時、そこから2人の仲のカウントダウンが始まる。

分かっている。

Aが親の言うことに逆らえないことくらい。

でも、それと同時に轟と離れたいわけではなく、むしろ一緒にいる時は楽しんでいることも轟は分かっていた。

だからこそ、自分がどうすればいいのか分からない。

無理に引き止めてしまうのは、無責任だ。

いや、そもそもの話、この2人の仲自体、本人達の意思によるものではないのだ。

今まで他人任せにして、皆の言う通りに動いてきた分、それと真逆の行動なんて取れるはずがない。

轟は、次第にこの仲自体に複雑な感情を抱き始めた。

もっと違う形で仲良くなっていたら、こんなことにはならなかったのだろうか？