114話 ページ25
「どうかしたか?」
そうキバナくんに声をかけられ、ハッと顔をあげた。
「ごめんなんでもない。
それでね、あまりにも似てたから兄妹かなって思ったんだけどキバナくんの妹って確か・・・」
「ああ、ルミアだ。
それにオレさまの知ってるスレナは・・・」
「キバナくん?」
最後にボソッと何かを呟いたキバナくんは、どこか思い詰めた顔をしていた。
そんなキバナくんになにか言葉をかけることも、立ち去ることも出来ずに座ったままでいた。
重たい空気に耐えられず口を開こうとした時、それよりも先にキバナくんが勢いよく顔を上げた。
「なあそのスレナってイーブイ連れてるよな」
「うん、たしかルニって呼ばれてた」
突然の変わりように驚きながらも頷く。
あの短時間で何があったんだろう。
「左耳が切れてなかったか?」
「言われてみればそうだったかも……?」
「オレさまに似てるってどれくらいだ?」
「ほとんど似てると思う。違うところって言ったら肌の色くらいじゃないかなあ?」
質問してるように聞こえるがこれはたぶん、間違っていないか確かめているだけだ。
その姿はさながら、謎の解けた探偵のようだった。
「そうか……。
ソニアありがとな!」
キバナくんの中で全て解決したのか、暗かった顔はいつの間にか明るくなっていた。
じゃあな、と来た道を帰ろうとしているキバナくんの腕を力いっぱい引っ張って、慌てて引き止めた。
「なんだよ、びっくりしたじゃねーか!
普通に呼べよ!!!」
「まさかキバナくん……
お礼も何もせずに帰るつもり?
私のきっちょーな時間を割いて回答してあげたのに?」
「あー、わりぃ……」
ダラダラと冷や汗を流すキバナくんを見て、私は内心ほくそ笑んでいた。
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パティあす(プロフ) - 音色さん» コメントありがとうございます!八月には必ず再開します! (2021年4月24日 6時) (レス) id: eca4eceaa9 (このIDを非表示/違反報告)
音色 - 更新停止になるのは寂しいですけど8月あたりには帰ってきてほしいです!頑張って下さいね (2021年4月24日 6時) (レス) id: ec53a20b93 (このIDを非表示/違反報告)
パティあす(プロフ) - うさぎさん» コメントありがとうございます!長くなりますが、そう言って頂けて嬉しいです!頑張ります! (2021年4月24日 0時) (レス) id: eca4eceaa9 (このIDを非表示/違反報告)
パティあす(プロフ) - 凛/月影/霖さん» コメントありがとうございます!待っていただけるなんて嬉しいです!お互い頑張りましょうね! (2021年4月24日 0時) (レス) id: eca4eceaa9 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 更新停止になるの少し寂しいです…。三ヶ月後に帰って来てくださるまでゆっくり待たせていただきます!受験勉強等忙しいと思いますが応援しています!頑張って下さいね♪ (2021年4月24日 0時) (レス) id: 2d1633e5ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パティあす | 作成日時:2021年3月5日 23時