カルミアは温もりを知らない３【ポケモン剣盾】

113話 ページ24

たぶん何かあったんだろうな。



───そもそも二人の関係性って何だろう？


恋愛関係、
ってわけじゃなさそう。


兄妹、とか？

……でもキバナくんの妹はスレナって名前じゃなかったはず。


いや、でもな〜
兄妹じゃないとしたら、似すぎじゃないかなぁ。


まあ世界には似た人が三人いるって言うから、ありえないことは無い、か……。



「どうなってるの？」


あまりにもわからなすぎて、頭を抱えていた。
口から思わず零した一言は紛れもなく本心からの言葉だ。



「なあソニア、お前はどう思う？」


「どうって？」


「さっきのスレナって選手のことだよ。
メロンさんに言われて調べてはいるんだが、見ての通り上手くいってないんだよなーこれが…。

だから色々考えていたであろうソニアの話を聞きたいなって思って」


ほら、と言って手渡された缶コーヒーを受け取って私達はベンチに座った。



「まずなんでメロンさん？」


「分かんねーんだよなぁ。それも」


「ふーん。
……まあでも私が真っ先に思ったことは似すぎだよねってこと」


「誰が？」


「スレナ選手が」


「誰に？」


「キバナくんにだよ!!!」


「そうなのか……？」


驚いたように呟くキバナくん。

でも大声を出してしまったのは許してほしい。
だって知らないと思わなく、て……？


いや違う、知らないのが当然なのか。

だっていつも帽子を深く被っていてジムチャレンジ中でさえも素顔は上手く隠していた。


私は偶然、ぶつかった反動で帽子が飛んでいったから見れただけであって、あれがなかったら今も知らなかったはずだ。


それにあの時、尋常じゃないくらい焦っていた。





＿＿＿まるで何かを恐れているように。

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