カルミアは温もりを知らない３【ポケモン剣盾】

111話 ページ22

ソニアside



スレナのことは以前会った時から、気になってはいた。昔の私やルリナにどことなく似ていたから。


笑っているのに笑ってない、というよりむしろ……


＿＿＿笑えていない。



直接会ったのは一度だけど、私にはそう見えた。





きっと何かあったんだろう。
だけどそれを聞けるほど親しいわけじゃない。


だって私達は顔見知り程度だ。
だから深く追求しなかった。


また今度会えた時に聞こう───
とこっそり胸に秘めて。



……そう思っていたのに、



「行っちゃった……」


久しぶりにあったスレナはものの数分でどこかに走っていってしまった。


ものすごく切羽詰まったような顔をしていた。


すぐにでも追いかけて話したかったけど、それより今は気になることがあった。



「どうしたの？そんなに急いで」


後ろから走ってきたのはジムリーダー最強と名高い、キバナくんだった。



「……今、話してた、のって」


息を切らしてそう聞かれた。


それほど急いでいたんだろう、かなり汗だくだ。



「スレナのこと？
今年のジムチャレンジャーの一人だよ。

ほら！あのブイズ使いで有名な・・・ってあー!!!」


そこまで言ってあることに気付いた。
驚きのあまり、つい私は大声を上げてしまった。

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