カルミアは温もりを知らない １【ポケモン剣盾】

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捨てられたのだという答えに行き着くのに時間はかからなかった。


これからどうしようかと考えていると、いつの間にか綺麗な女の人が目の前に立っていた。


「こんな所でどうしたんだい？」

『母に"ここに居て"って言われたので座っていただけです』

そう言うと、その女の人はしばらく何かを考え込み、「とりあえず家においで」と言ってくれた。


＿＿＿これは後から知った話だけど、私に声をかけてくださった女の人は、ここ キルクスタウンのジムリーダーのメロンさんで兄に対して、唯一無敗を誇っている凄い方だった。


そんなことも露知らず私のワガママでその話を断ろうとしていたら、先読みしたらしいルニにズボンの裾を引っ張られ、その意図を理解したのかメロンさんに背中を押されたため、結局そこでお世話になることになった。



質問された事に答えていたらいつの間にかメロンさんのお家で過ごすことになっていてびっくりした。


メロンさん達家族と暮らすようになってから2,3日たったある日、こんな事を言われた。


「ルミアはキバナに似てるね 兄妹か何かかい？」

『キバナさんってどんな方ですか？』


兄とはもう何年も会っていないので顔も覚えていない。そのため、名前を言われてもその人が兄かどうかなんて分からなかった。


するとメロンさんはテレビをつけて、試合をしてる様子を見せてくれた｡


そこに映っているのは紛れもなく記憶の片隅にいた兄が成長した姿だった。




その時、この人に勝てば、父も母も私のことを認めて貰えるのではないかという考えが頭に浮かんだ。


そのことをメロンさんは条件がいくつかあったけれど、意外にも心良くOKを出してくれた。






そして3か月後、私の旅が始まった────……

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