カルミアは温もりを知らない １【ポケモン剣盾】

36話 ページ39

ルミアside



「えーっとスレナさん さっきは・・・」

『ひっ…』

また冷ややかな目で私を見ているのだろうと想像するだけで怖くなって、動けなくなった。

何を言われるのか、そんなの分かりきった事だったけど、慣れるなんてことはなくて、震えが止まらなかった。


けれど、ルリナさんから発せられた言葉は罵るなんてものじゃなくて……


「怖がらせてしまってごめんなさい!!」



──謝罪だった。


『へっ!? あっいや…その、えーっと……』


ルリナさんに頭を下げられ、私の頭は軽くパニック状態になっていた。

だって今まで謝られたことなんてあるかどうかも怪しいのに、ジムリーダーであるルリナさんに頭を下げられたら誰だってパニックになるはずだ…… たぶん…

どうにか頭を上げてもらおうと、その事だけで頭がいっぱいだった。


あんまりにも私が慌てているもんだから、ルリナさんに「落ち着いて」と苦笑しながら言われた。


は、恥ずかしい……





とりあえず立ったままじゃ疲れるからという理由でベンチに向かい合って座った。


……けれどお互い黙ったままで時間だけが過ぎて言った

何か話すべきなんだろうけど、あいにく、人と話すことに慣れていない私は、緊張もあってか何も思いつかなかった。

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