458話 ページ26
あの日、あたしが見たあの光景を一言で言い表すなら、『悲惨』
応援に呼ばれ、真っ先に駆けつけたのはすぐ隣の街にいたあたしで。そこで見たナックルシティはあたしの知るナックルシティでは無かった。
屋根や道路には無数の大きな穴。
避難が完了していたから住民に怪我はなかったらしい。
特に酷かったのはナックルスタジアムの屋上。
瓦礫の山にヒビ割れて傾いた床。
崩れて床がかけている場所もある。
雨で滑りやすいしところどころ焦げ付いていた。
「マリィ選手!ありがとうございます。
スパイクタウンは大丈夫ですか?」
「アニキが残っとるし、スパイクタウンにパワースポットはないけんね。それで状況は!」
「今瓦礫の除去と救助を行っているところです。この場所の崩壊が激しく、救急隊も近づけない状態で。
申し訳ありませんが手伝っていただけますか?」
「わかった。
オーロンゲ!」
特徴的な伸縮自在の体毛を駆使して瓦礫をどかしていく。
それを繰り返していくうちにどんどんと人が集まりだしてあっという間に救助が終わった。
救助者は4人。
そのうちユウリとホップは軽傷ですぐに目を覚ました。
重症なのはチャンピオンとキバナさんの二人。
……じゃあ、ルミアは?
バタバタと騒がしくなるナックルジムのジムトレーナー達に嫌な予想が頭をよぎる。
だってこういう時、ルミアなら真っ先に救助に来るはず。
自分のアニキが関わってるなら尚更。
もう一度周りを見渡す。
でもやっぱりそこにルミアの姿は無くて、かわりに崩れた床のすぐ近くになにか落ちていることに気がついた。
「オーロンゲ、頼みがあるんやけど」
落ちても大丈夫なようにオーロンゲの体毛をお腹に巻き付けそっと近付く。
落ちていたのは不自然に空いた6つのモンスターボールだった。
そっと下を見る。
そこにはただ暗闇が続いていた。
まるで全てを飲み込んでしまいそうな、
どこまでも続く闇。
───ここに、ルミアは……。
「ローゲッ!」
ぐいっと引っ張られオーロンゲに抱きとめられる。
心配をかけたらしい。
「大丈夫ですか!!?」
その声にハッとしてオーロンゲから離れる。
どうしても聞かないかんことがあったから。
「ルミアは!!?」
「お、落ち着いてくださいっ」
「落ち着けるわけないやろ!」
だってルミアが、
───消えたんだから。
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もなか - あってますあってます!!めちゃめちゃ応援してます!! (2月9日 15時) (レス) @page15 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
パティあす(プロフ) - もなかさん» ホップくんが剣でユウリちゃんが盾、で合ってますかね?回答ありがとうございます! (2月5日 18時) (レス) id: 5e123991d9 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - 勝手な想像なんですけど、ユウリちゃんが盾...というより、ホップの剣のイメージが強いので、盾ですかね?(回りくどくてすみません) (2月5日 16時) (レス) @page13 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
パティあす(プロフ) - もなかさん» まずそんなにいくつも受けてること自体凄いですね!なのに全部!本当におめでとうございます!少しでも支えになれていたのなら嬉しいです!こちらこそ素敵な報告ありがとうございます! (1月29日 23時) (レス) id: eca4eceaa9 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - あの、すみません、自慢していいですか?しますね、なんと私立、第一、第二、第三志望全て受かりました。もしかしたら目が腐っているかもしれません。もし本当受かっていたのだとしたら、この小説で息抜きしてたおかげです、本当にありがとうございます!! (1月29日 16時) (レス) @page12 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パティあす | 作成日時:2024年1月9日 23時