検索窓
今日:13 hit、昨日:35 hit、合計:4,449 hit

456話 ページ24

「はっ?今なんつった?」



医者の診断が終わり、マクワに聞かされた現状は一番現実になってほしくないものだった。



「ルミアさんが行方不明です」


「そんな笑えねえ話、冗談でも許さねぇぞ」


「冗談でこんなこと言いません!今必死に捜索していますがキバナさんが眠っていた2日間、なんの手がかりも見つかっていません」


「クソッ!なんでだよ!」



ようやく全てが終わったと思ったのに。
どうしてこうも上手くいかない。


悔しさをぶつけるように殴りつけたベッドはポスンと間抜けな音しかしなかった。




「……そうだ!ルニたちは!あいつのポケモンたちは!」


「無事です。貴方達が倒れていたところにボールが落ちていました……」


「今どこに!」


「ここだよ。目を覚ましたかと思えば騒がしいやつだねぇ。もう少し声量を落としな。ここ病院だよ」


「メロンさん……」


「シャワ」



熱を冷ますような厳しい声とともに入ってきたのはメロンさんとルフィ二で。あの時オレたちと一緒に居たはずのルニが居なかった。




「……ルニは?」


「マリィと一緒に今日も走り回ってるよ。ルミアを探すために。ユウリやホップも一緒さ」


「ユウリとホップも!!?っ」



勢いよく起き上がったせいで傷が痛む。
あの件で怖い思いもさせてしまったのに、まだ頼ってばっかの現状に情けなくなった。


不自由なこの身体が情けない。




「あんたとダンデが一番重症なんだから大人しく寝てな。
心配しなくても新しい情報が入ったら教えるから」




それじゃあと言ってメロンさんは去っていった。
たぶん探しに行ったんだろう。



「あの、これ……良かったら食べてください。
気休めにもならないかもしれませんが、今ジムリーダーやジムトレーナー達が必死に探してます。
だから今は僕らを信じて、ゆっくり体を休めてください。
もちろん探しにいくなんて考えずに」



最後に釘をさしてマクワも病室に出ていく。
バスケットに溢れんばかりに盛り付けられた果物にぼんやりと手を伸ばした。



「まさかこれを現実で見る日がくるとはなぁ」



真っ赤なリンゴに齧り付く。いつもなら目を輝かせて食いついてきそうなレンカも今回ばかりは静かだった。

457話→←455話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
611人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

もなか - あってますあってます!!めちゃめちゃ応援してます!! (2月9日 15時) (レス) @page15 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
パティあす(プロフ) - もなかさん» ホップくんが剣でユウリちゃんが盾、で合ってますかね?回答ありがとうございます! (2月5日 18時) (レス) id: 5e123991d9 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - 勝手な想像なんですけど、ユウリちゃんが盾...というより、ホップの剣のイメージが強いので、盾ですかね?(回りくどくてすみません) (2月5日 16時) (レス) @page13 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
パティあす(プロフ) - もなかさん» まずそんなにいくつも受けてること自体凄いですね!なのに全部!本当におめでとうございます!少しでも支えになれていたのなら嬉しいです!こちらこそ素敵な報告ありがとうございます! (1月29日 23時) (レス) id: eca4eceaa9 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - あの、すみません、自慢していいですか?しますね、なんと私立、第一、第二、第三志望全て受かりました。もしかしたら目が腐っているかもしれません。もし本当受かっていたのだとしたら、この小説で息抜きしてたおかげです、本当にありがとうございます!! (1月29日 16時) (レス) @page12 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:パティあす | 作成日時:2024年1月9日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。