454話 ページ22
『あまごい!』
そんな思考を吹き飛ばすような声にハッとする。
らしくない。そうならないようにする為にオレはここに居るんだと自分で自分に喝を入れ直した。
『お、お兄ちゃんっ!!?』
「キバナさん!!?」
「すっげぇ痛そうな音したぞ……」
「大丈夫か?キバナ」
心配する声に平気だと笑って返す。
ヒリヒリと火照った頬を冷ますような冷たい雨が心地良かった。
アレムの特性で天候が雨になってもかみなりやぼうふうは必中にならないし、体力や状態異常を回復できる訳でもない。
それでも辺り一体を覆っていた炎を沈静化したこの雨は紛れもなく恵みの雨だった。
「スレナちゃんありがとう!
ドリュウズ、平気?」
「リザードン、すまないがもう少しだけ耐えてくれ」
「アレム、大丈夫か?」
水が苦手な二匹にそれぞれのトレーナーが声をかける。
アレムは鬱陶しそうに顔を歪めながらもボールに戻る気配はなかった。動きにくいが技くらい打てる、そう言いたげにオレの目を見る。
この炎を消すには水技ではどうしようも出来ない。
雨しか無理だと誰もがわかっていた。
だからこそ勝負を急ぐ決断をした。
「よし……一気に全員の攻撃で畳み掛ける!」
ダンデの号令で一つに合わさった技たちはそのまま真っ直ぐとムゲンダイナの方へ飛んでいった。
しかしムゲンダイナも黙ってはいない。
無作為にあの光線を流星群のように空へ散らした。
今まではオレたちのいるこの屋上しか狙ってこなかったのに、ついに街にまで手を出してきやがった。
本当に避難が完了していてよかったと思う。
リョウタたちのおかげで目の前の相手に思う存分集中出来るからな。
「アレム、りゅうせいぐん!」
「続くぞ!カビゴン、10まんばりき!」
空と陸とそれぞれから挟み撃ちで攻撃を仕掛ける。
お互いに効果抜群。いくら伝説と言えど弱点はあるらしい。
「やっぱり効いてる!だったら!
スレナちゃん、フォロー任せてもいい?」
「もちろん!サイコキネシス!」
自分も含め、地面にいるポケモン全員を一斉に宙に浮かせる。
そしてドリュウズの後ろに下がった。
「じしん!」
ドリュウズが高く跳び地面に衝撃を伝える。
それは衝撃波となってムゲンダイナに襲いかかった。
さらに追い打ちをかけるようにザシアンとザマゼンタがムゲンダイナを攻撃する。悲鳴のような声に思わず耳を塞いだ。
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もなか - あってますあってます!!めちゃめちゃ応援してます!! (2月9日 15時) (レス) @page15 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
パティあす(プロフ) - もなかさん» ホップくんが剣でユウリちゃんが盾、で合ってますかね?回答ありがとうございます! (2月5日 18時) (レス) id: 5e123991d9 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - 勝手な想像なんですけど、ユウリちゃんが盾...というより、ホップの剣のイメージが強いので、盾ですかね?(回りくどくてすみません) (2月5日 16時) (レス) @page13 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
パティあす(プロフ) - もなかさん» まずそんなにいくつも受けてること自体凄いですね!なのに全部!本当におめでとうございます!少しでも支えになれていたのなら嬉しいです!こちらこそ素敵な報告ありがとうございます! (1月29日 23時) (レス) id: eca4eceaa9 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - あの、すみません、自慢していいですか?しますね、なんと私立、第一、第二、第三志望全て受かりました。もしかしたら目が腐っているかもしれません。もし本当受かっていたのだとしたら、この小説で息抜きしてたおかげです、本当にありがとうございます!! (1月29日 16時) (レス) @page12 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パティあす | 作成日時:2024年1月9日 23時