443話 ページ11
《ファイナルトーナメントついに決勝戦!
無敵のチャンピオン、ダンデに挑戦するのは輝く超新星 ユウリ選手か。チャンピオンダンデがライバルと認める男、ドラゴンストーム!キバナか!?》
「オマエは本当に偉いよ。だってここまで来たんだものな!
さすがはチャンピオンダンデが推薦したポケモントレーナー!
ライバルダンデを超えるため、アイツが選んだオマエに勝つ!
一度オマエに負けていて何をほざくかと思うだろうが、ジムチャレンジのときのオレさまと同じだとみくびるなよ」
会場につくともうすでにバトルは始まろうとしていて、ギリギリだったことに気付く。どこか座れる場所を探してみたけど満席だった。
『立って見るのはオッケーなのかな』
一日目、私は立って見ていたけど改めて周りを見渡してみるとそんな人は誰もいない。そこでこの座席がチケット制だったことを思い出した。
「ルミア!やっと見つけた!」
『!!?マリィ!』
「試合お疲れ。決勝戦、見るんやろ?」
『……そのつもりだったんだけど、私チケット持ってなくて』
「そんなことやろうと思った。トーナメント参加者は専用の席があるんよ。そもそも完全なチケット制ならここに入る時にスタッフさんになんか言われるはずやろ?」
『……確かに』
「意外とそういうとこあるよねルミアは」
笑いながら先を進むマリィの背中を見ていると、何かあるような気がして思わず立ち止まる。
《マシェードお得意のキノコのほうしをぼうふうで防ぎ、一撃で倒し切りましたチルタリス!早くも一体を失ったユウリ選手、ここからどうする!!?》
フィールドではアレムが悠々と飛んでいた。
「ルミア?」
不思議そうに首を傾けるマリィを見てようやく心のモヤモヤが晴れていく。
「悔しいっ めちゃくちゃ悔しいっ」
どうして心臓の辺りが冷たいと感じたのか。
楽しかったのに涙が溢れてきたのはなんでだったのか。
廊下で聞いたあの声が、あの感情が、今の私そのものだった。
勝ちたかった。
負けたくなかった。
でも負けた。
知らない感情に名前がついて、少しだけ安心する。
───悔しいんだ、私は。
「もー。ほら行くよ」
呆れたように笑う目の前の彼女に引っ張られるように右足が前へ出る。
はらりと一粒、雫が零れ落ちた。
勝つために。
そう言って顔を上げた彼女の背中はとても眩しかった。
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もなか - あってますあってます!!めちゃめちゃ応援してます!! (2月9日 15時) (レス) @page15 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
パティあす(プロフ) - もなかさん» ホップくんが剣でユウリちゃんが盾、で合ってますかね?回答ありがとうございます! (2月5日 18時) (レス) id: 5e123991d9 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - 勝手な想像なんですけど、ユウリちゃんが盾...というより、ホップの剣のイメージが強いので、盾ですかね?(回りくどくてすみません) (2月5日 16時) (レス) @page13 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
パティあす(プロフ) - もなかさん» まずそんなにいくつも受けてること自体凄いですね!なのに全部!本当におめでとうございます!少しでも支えになれていたのなら嬉しいです!こちらこそ素敵な報告ありがとうございます! (1月29日 23時) (レス) id: eca4eceaa9 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - あの、すみません、自慢していいですか?しますね、なんと私立、第一、第二、第三志望全て受かりました。もしかしたら目が腐っているかもしれません。もし本当受かっていたのだとしたら、この小説で息抜きしてたおかげです、本当にありがとうございます!! (1月29日 16時) (レス) @page12 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パティあす | 作成日時:2024年1月9日 23時