カルミアは温もりを知らない９

395話 ページ10

『ルニ、切り替えるよ。
フルパワーでマジカルシャイン！』



サイコキネシスに回していた分の力もマジカルシャインに当てたことで考えることもひとつとなり、純粋にパワーが上がる。



「負けちゃダメ！押し返せ！！！」


「うらッ、らﾞぁ！！！」



それでも内側へ内側へと入り込んでいき、ついには半分のところまで到達した。



『ルニ！』


「エー、フィ！！！」



距離が近づくにつれてどんどん力も強くなり、モルペコの足が止まりそうになる。それでも完全に止まることはなかった。



「決めるよモルペコ！」



そういえば少しずつ回転が早くなる。
今度は進むためじゃなくて、力を蓄えるため。



『今のうちに引き離すよ！』



その間にエーフィはさらに力を強めてくる。
でももう遅い。



あの日、スレナに負けてから修行して得た力。
今この時のために、身につけたこの力で。



「チェンジ！そのまま突っ込め！！！」



その瞬間、モルペコの姿が変わる。
そして車輪の色もあくタイプらしい赤黒い光に。


本来ならば攻撃するたびに姿が変わる、特性はらぺこスイッチ。
それを自分の意思で変えられるようにモルペコは必死に修行していた。


初めは全く上手くいかなかったけれど、あるポケモンとの出会いでようやく形となって、今に至る。



「いっけぇぇぇ！！！！！」



蓄えた分のエネルギーを一気に解放し、さっきまでとは異なる凄まじい速さで突き進んだ。

396話→←394話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す