カルミアは温もりを知らない９

391話 ページ6

『つきのひかり！』



すぐさま回復を指示したスレナにより、再び立ち上がったブラッキーはなぜか笑っていた。



「ブラッキ」


「ニャーオ」



ポケモンの言葉が分からない私でもなんとなくわかる。
互いが互いを認めあっていた。



「もう1回いくよ！しっとのほのお！」


『躱して、のろい！』



レパルダスを中心に波紋状に吹き出る炎を高くジャンプすることで躱し、そのままのろいを積む。身体の筋肉が固くなっているのが目視できた。



『そのままイカサマ！』


「バークアウト！」



突っ込んでくるブラッキーに対し、バークアウトで防御に徹する。しかしそれは簡単に破られ、攻撃が当たる。


そしてすぐさま下がり、間をとった。



「レパルダス、まだやれるやろ?!」


「にﾞゃーお」



傷だらけになりながらも立ち上がり不気味に笑うレパルダスは美しく見えた。


だけど限界が近いのは確か。
次で決めなきゃ、やられるのはこっち。



「しっとのほのおで全部燃やしちゃえ！」



さっきのバークアウト、間違いなく当たってた。
そのダメージと、この技で、決める！！！



『耐えて、しっぺがえし！』



飛んでも避けられない高さまで燃え上がる炎を目の前に、ブラッキーは動かなかった。後ろには無いはずの月の光が差し込んでいる。



『今！』



がまんのように、蓄えていたエネルギーを放つ。
それは一直線にレパルダスの方へ進み、そのまま直撃した。



「レパルダス、戦闘不能！」

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