カルミアは温もりを知らない９

431話 ページ46

2匹の距離が1mをきった時、お兄ちゃんの手がピクリと動いたのを見た。隠していた二つのボールを反射的に前へ出し、片方を投げる。レンカと交代でストーンエッジを受けたのはライト。
直前でのろいを積んだおかげか大きなダメージにはならなかった。



「厄介なのが来たな！
ジュラルドン、ドラゴンクロー！」


『のろいで固めて！』



独特な形の手を鋭く尖らせ、ライトに迫る。
でも、今のライトが膝を着くことはなく軽々と受け止めた。



『そのまましっぺがえし！』


「躱してボディプレス！」



カウンターを仕掛けたつもりだったけどさすがにバレバレだったのか、素早くジャンプしてそのまま攻撃に転じてくる。



ジュラルドンというポケモンは軽量で高い硬度を誇る特殊な金属で体が構成されているらしく、その見た目に反して機敏に動くことができる。反対にライトはのろいの効果もあって機敏に動くのは苦手とするポケモンだ。


さっきのジュラルドンのようには出来ない。なら、正面から。



『負けるな！しっぺがえしで打ち返せ！』
「ブラッ、キ！」



両者がぶつかり、ライトの身体が赤黒く光り始めた。
そして溜め込んだエネルギーを解放するように技を放つ。


特性ライトメタルで、通常よりも体重が軽くなっているジュラルドンは簡単に吹っ飛んだ。

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