カルミアは温もりを知らない９

424話 ページ39

『っ速攻で行くよ、れいとうビーム！』


「躱っ……おい！」



どこか焦った顔をするお兄ちゃんを他所にアレムが突っ込んでくる。当たったら例えアレムでも小さなダメージで済むはずのない攻撃に怯むことなく、しかも余裕だと言わんばかりに華麗に宙返り。


その後ルフィニの目の前ギリギリで真上に高く飛んだアレムに思わず攻撃を辞めてしまった。



「ったく！やれ、ソーラービームだ！」


『撃たせない！ねっとう！』



ソーラービームは天気がにほんばれの状態じゃない限り、エネルギーを集めるのに少し時間がかかる。


くさタイプでは無いアレムならなおさら時間がかかるからその前に一番飛距離が出るねっとうで止めるつもりだった。



「おせーよ！」



そんな声とともに、眩い光線がルフィニもろとも包み私の視界を奪う。



「シャワーズ、戦闘不能！」



ようやく視界がはっきりした頃には横たわるルフィニの姿があった。



《いっ…一撃！一撃で鎮めてみせましたキバナ選手のチルタリス！恐ろしいパワーですね。しかも撃つまでが速い》


《おそらくパワフルハーブを持たせていたんでしょうね。ソーラービームは強力な技ですがその分隙の多い技です。パワフルハーブはそう言った技を使う時に一度だけ溜めなしで放つことが出来る効果を持ちますから》


《それにしても、キバナ選手がチルタリスとは……。
今までの手持ちには居なかったポケモンですから、我々も驚きです》



流石に強いなぁアレムも。
ルフィニがやられて焦る場面だけどそれよりもなんだか不思議な気分に包まれる。ずっとこうしていたいと心の内で叫んでいた。

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