カルミアは温もりを知らない９

422話 ページ37

「もっかいだ！かみなり！」


『させない！れいとうビーム！』



体内から電気のエネルギーを吐き出すよりも先にれいとうビームが当たる。効果抜群であるはずのその攻撃は、ヌメルゴンの体勢を少し崩す程度で大きなダメージにはならなかった。



「りゅうのはどう！」


『ねっとうで迎え撃って！』



全てを喰らい尽くす龍の頭のような形をした光線を無理やり吹き飛ばす。


それからしばらく互いに攻めきれない攻防が続き、やがて雨が止み、太陽が顔を出した。


強い雨であまり気にしていなかったけれど、地面はぐしょぐしょでルフィニ達は泥にまみれている。


ヌメルゴンは元々湿地帯に生息するポケモンだから平気かもしれないけどルフィニはそうでも無い。
まずはこのフィールドをどうにかしないと。



『れいとうビーム！』


「なみのりで防げ！」



そんな私の意図が通じたのか、ルフィニはヌメルゴンではなくその足下を狙う。徐々に氷の面積を広げていき、ついには大きな波までも凍らせた。


盾のように使っていたなみのりを丸ごと凍らせたためあちらからももちろんこちらからもぼんやりとしか見えていない。



「尻尾で崩せ！」



そんな声とともに氷が碎ける音がする。
即席で凍らせただけの塊に耐久性なんてものはなく、崩れるのは時間の問題だろう。


だったらそれよりも先に仕掛ける。

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