カルミアは温もりを知らない９

418話 ページ33

ごうごうと吹き荒れていた砂嵐が止み、静かに霰が降り始める。



「ほう！ やるじゃねえか あられに 変えるなんてよ！」



ニヤリと笑ったお兄ちゃんはすぐに天候を変えようと指示を出すが、それよりも先にコスモのシャドーボールがヒットして不発に終わった。



「コータスもっかい頼んだ！
あくび！」



フライゴンと交代で出てきたコータスは特性を発動させたと同時にあくびをする。


あくびの厄介さなんて私が一番よく知ってる。
だけど、届かなきゃ効果は無い。



『ふぶき！』



雪を乗せた強い風がコータスに纏わり、逆風を吹かせることであくびの効果を打ち消す。



「吹きとばせ！ふんえん!!!」


『シャドーボールで躱して！』



真っ赤な炎がふぶきすらも消し飛ばしコスモに襲いかかる。
それをシャドーボールの威力で一時的に空へ逃げることに成功した。



「そこだ！ソーラービーム」


『っミラーコート！』



重力に逆らえず無防備に落ちていくコスモの位置を正確に計算したのかピンポイントに放ったソーラービームを避けるすべは無い。


それならと、身体を太陽の光を反射する朝露のような輝きを纏ったコスモはそのダメージを倍にしてコータスに返した。

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