412話 ページ27
「悔しいっ めちゃくちゃ悔しいっ
応援なんてしたくないっ 見たくもないっ」
「じゃあ帰りますか。一緒に」
「帰らないっ 次勝つために」
俺の腕の中でそう泣きじゃくるマリィにそう提案すれば、駄々っ子のように首を横に振る。
擦れそうなほど強く涙を拭き、強い目で次のことを宣言したマリィに思わず笑みがこぼれた。
「マリィならそう言うと思って席取ってきました。
行きましょうか」
手を伸ばせば、「別に一人で立てるし」と言って顔を背けられる。女心はいつまででもよく分からん。
そんなことを頭で愚痴りながら廊下を歩いていると、後ろから声がして振り返る。声の主はスレナ選手だった。
「どうしたん?そんなに急いで」
「話したいことがあって、探してた……」
「慰めなら要らんよ。あんたにもらったって嬉しくない」
一生懸命探していたのであろうスレナ選手に、突き放すような言い方のマリィ。それでも怯むことなく、真正面から力強く否定したスレナ選手は少し震えていた。
「本当に違うの。話したいのは、私のこと。
誰かに話すなら最初はマリィちゃんが良いから」
嘘偽りのないその言葉にまだ少しひねくれモードのマリィも口を噤む。ここに居続けるのは野暮だと思った。
「先行ってますよ。終わったらメッセージください」
そうして今だに固まったままのマリィの背中を軽く押して観客席に移動する。
晴れやかな表情のマリィが見れるまであと少し───
そしてあんなことを言いながら誰よりもスレナ選手を応援するマリィの姿が見えるまであと───……
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パティあす(プロフ) - もなかさん» あけましておめでとうございます!私の方は地震来てないので全然大丈夫です!もなかさんは大丈夫でしたか?今年もよろしくお願いします! (1月2日 17時) (レス) id: eca4eceaa9 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - あけましておめでとうございます!!地震は大丈夫でしたか?今年も応援してます!! (1月2日 17時) (レス) @page45 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ✉️。とても面白いです!もしよろしければボードで会話したいのですがよろしいですか?お返事お待ちして居ます💝 (11月16日 16時) (レス) id: d7c4d06b1b (このIDを非表示/違反報告)
パティあす(プロフ) - もなかさん» ヤミラミ!たしかにその案はなかった!!!ありがとうございます! (10月15日 8時) (レス) id: eca4eceaa9 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - パティあすさん» 一応、一応なんですけどっ!!マリィちゃんにヤミラミ持っててほしいなぁって...思ってマス... (10月15日 8時) (レス) @page23 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パティあす | 作成日時:2023年9月4日 18時