カルミアは温もりを知らない９

409話 ページ24

「最後まで全力でいくよ！DDラリアット！」



こっちも負けじと攻撃を指示するとオーロンゲも呼応して両腕に闇のエネルギーを集める。


ぐるぐると回転し突っ込むオーロンゲに対してスレナはダイウォールを指示した。


ダイマックス技すらも通さない大きな壁に阻まれ、オーロンゲの勢いはあっという間に止められる。



『ダイアイス！』



そこへ追い討ちをかけるように大きな氷塊を降らせた。
オーロンゲは咄嗟に頭を腕で庇ったけどダメージは避けれず、更にはあられまで降り出し始める。


そのあられによって、あんなに目立っていたグレイシアの姿が消えた。


でも見えないだけで動いてはいない。
動いてもすぐに気付く。


───何も、問題ない。



「決めるよ！じだんだ！」



今までよりも大きな土の塊がグレイシアの方へと向かっていき、すぐに衝突音がする。


影が揺れたのが見えて勝利を確信した。



『もう一回ダイアイス！』


「シーアッ!!!」



その時、頭上に影が出来て巨大な氷塊があられとともに降ってくる。油断して意表をつかれたその攻撃に為す術なく、直撃した。



「ロー、ゲー……」



済まないと言わんばかりに目配せしたオーロンゲが静かに倒れる。



あと一歩だった。
届いたと思ったのにな……。





「オーロンゲ、戦闘不能！
よって勝者！スレナ選手！」



審判の声が遠くに、でもはっきりと聞こえた。

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