カルミアは温もりを知らない９

404話 ページ19

「インファイト！」



あたしが指示を出したとほぼ同時にジャンプしてグレイシアの背後に回る。まるでイメージを共有しているみたいだと思うほどにイメージした通りだった。


けれどスレナは何歩も先を見据えていて、アブソルが攻撃を仕掛けたのと同じタイミングで、物凄いスピードでグレイシアが移動したため不発に終わり、しかも滑ってこけてしまう。



「アブソル!!?」



後ろばかり気にして前を見ていなかったことを思い出す。
さっきのれいとうビームも当たらないんじゃなく、わざと当たらないようにしてたんだ。


この、足場の悪い氷のフィールドを作るために。
そう考えただけでゾッとする。



───でも、まだ未完成。氷が全体に張り巡らされてるわけじゃない。この真ん中さえ避けていればいい話。



そう思っていたのだけど、それよりも良い方法があることに気付く。



『決めるよ。ふぶき！』



「ストーンエッジ！」



ふぶきから自身を守るように。
そして地面の氷を割るように。


そのためのストーンエッジ。



地面から突き出す青い岩が氷を割り、グレイシアの方へと進んでいった。

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