カルミアは温もりを知らない９

397話 ページ12

「ストーンエッジ！」


『躱して、のろい！』



水色の輝きを放つ、迫り来る岩を避けたブラッキー。
しかしそこにはすでにアブソルが回り込んでいて。



「つじぎり！」



紫の竜巻がブラッキーを襲う。
しかし大きなダメージにはならず、のろいを発動させた。



『イカサマ！』


「みきり！」



そのまま突っ込んできたブラッキーをすんでのところで躱す。
ギリギリだったこともあり、身体が大きく揺れた。



「インファイト！」



隙を着く形でブラッキーの懐に入り込み、その鎌のような角で下から投げ飛ばし、反撃できない速さで攻撃し続けた。



「ブ、ラッキ！」


『！しっぺがえし！』



攻撃が止んだところで、傷だらけのブラッキーが何かを訴えたかと思えば次の瞬間には赤黒い光線がアブソルを包んでいた。



「アブソル！」
「ソル！」


「ブラッキ」
『……わかった』



「つじぎり！」


『やるよ！イカサマ！』



目の前の攻撃には目もくれず、必死にアブソルだけを狙っている。アブソルよりも遥かに大きなはずのダメージをものともせず、ただそれだけをめざして。


でもそれがわかっていながら通すつもりは無い。



「逃がさんよ。ストーンエッジ！」

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