カルミアは温もりを知らない８

384話 ページ46

そしてふと、周りに誰もいないことに気付く。


ユウリやホップとローズタワーに乗り込んで、そこでマクロコスモスの社員やオリーブとバトルして、ダンデを迎えに行って一緒にここまで帰ってきたはずだったんだが。


ローズタワーから出た時はネズやマリィも一緒に居たよな？


見間違いかと思って一応尋ねてみる。



「そういやネズ達は？」


『もう帰ったよ』



ルニのジトっとした目を見て、置いて帰られたことに気付く。
というよりルミアが帰らせたのだろうか。


どっちにしろ悪いことしたな、と反省する。



「んじゃ、オレ達も帰るか。
ロンド・ロゼだったよな？」


『うん。お兄ちゃんは？』


「一緒だ一緒。美味いもん食おうぜ。
ちょうどダンデ達もホテルで食事するって言ってたし」


『行く！』



目を輝かせ、走り出したルミアを追いかけるようにルニも走り出す。



『お兄ちゃん早く〜』
「フィ〜！」



少し先で止まって俺に手を振るルミアを見て泣きそうになった。



「おう！競走しようぜ！
よーいドン！」



後ろから大声で叫んで走り出せば、ルミアとルニも楽しそうに走り出す。


ホテルに着く頃には2人揃って息切れしていて、唯一平気そうな顔をしていたルニは心做しかドヤ顔しているように見えた。

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