カルミアは温もりを知らない８

333話 ページ5

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俺は最強を求めてきた。
それが当たり前だったから。



最強であるための選択をした。
弱者を切り捨てながら。



才能がなければ意味は無い。
その辺の石ころを磨いても宝石にならないように、弱者に何をやろうと時間の無駄だからだ。


ポケモンも。トレーナーも。



俺は才能があった。それに驕らず努力もした。
だから今の自分がある。


絆？愛情？信頼？


笑わせる……
そんな不確かなもの、必要ない。


俺は俺の力だけで勝ち上がってきた。



───それが最強であるということ。





だと言うのに、こいつはなんだ。


理解不能。
キモチガワルイ。



こいつは弱い。


俺が切り捨ててきた弱者達と何も変わらない。むしろそいつら以下だ。今まで見た中で一番の弱者だ。


それは変わらない。
変わらないはずなんだ……



ならばなぜ、俺が負けかけているのか。







認めない。認められるわけがない。



俺が間違いだったのか！！？


アイツが正しいとでも言うのか！！？


そんなわけあるはずがない。
あっていいはずがないんだっ！！！



だって。


だって、それなら俺は。



……何のために、アイツを手放したんだ。



















遠くで、悲しそうに笑うアイツが見えた気がした。 たった1匹の、最初の相棒の顔が───……

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