カルミアは温もりを知らない８

352話 ページ24

〈忘れた頃にやってくる！エーフィのみらいよち！これはトゲキッスも避けきれない！〉


「まだやれるかい？」
「キィス！」



再び白き翼が宙を舞う。
その軽やかさに会場中が湧いた。



「はどうだん」
『躱して、フリーズドライ！』



空中から降り注ぐ無数のはどうだん。
しかしそれらがコスモに当たることは無く、逆にどこからか冷たい冷気が飛んでくる。


本来、効果いまひとつのみずタイプにも弱点をつけるフリーズドライの冷気は簡単にトゲキッスから翼を奪った。



「ゆきがくれかい？なかなか厄介特性だねぇ。
まずはこの天候をどうにかしようか」



ゆったりとした口調のポプラはゆるりと口角を上げる。
何をしてくるのか検討もつかないが、天候が変わらないうちに勝負を決めたいルミアは、すぐさま次の攻撃の指示を出した。



『ふぶき！』



ふぶきという技は威力が高いかわりに当てるのが少し難しく、外した場合隙が多くなってしまうため少々リスキーな技である。


しかし、天候があられである場合、必中となりそのリスクが無くなるのだ。


そしてコスモの姿は特性によって目視しにくくなっている。


そのため、どこから来るか予測するのが難しい。元々広範囲の技であるのも原因の一つである。



先程のフリーズドライで翼が少し凍っているトゲキッスに逃げ道は無い。と、誰もがそう思っていた。

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