カルミアは温もりを知らない８

349話 ページ21

『畳み掛けるよ！サイコショック！』



体勢を大きく崩したことで出来た隙を見逃すことなく、2回目のサイコショックが直撃する。



「マタドガス、戦闘不能！」



この猛攻に耐えきれず、マタドガスは目を回す。
先に白星を上げたのはルミアだった。



「良い顔になったじゃないか。これならバッジを渡して正解だったね。でも次はどうだろうねえ」



楽しそうに笑い、繰り出したのは色違いのニンフィア。
ゆったりとした優雅な登場に会場が大いに盛り上がる。



〈ポプラ選手のポケモンの中でも2番目に古株のニンフィア。
最近ブイズ使いとして名を挙げているスレナ選手はどう言った戦いを見せるのでしょうか。楽しみです！〉



ニンフィアの掴みどころのない笑顔に恐怖すら覚える。



『気を引き締めていくよ』
「フィ」



秘めた強さを正しく予知したルニは体勢を低くし、構えた。



『サイコショック！』



さっきよりも倍の量がニンフィアを襲う。
しかしそこにニンフィアの姿はなく、ルニの目の前に水色が映る。


そして次の瞬間、壁まで吹き飛ばされていた。


頭の追いついていないルミアは呆然とする。
それはルニも同じだった。



『も、戻って！』


〈ニンフィア、速い！まさに光の速さのでんこうせっか！
スレナ選手、これは堪らず交代だァ！〉

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