カルミアは温もりを知らない８

346話 ページ18

「セキタンザン 戦闘不能！よって勝者！マリィ選手！」


〈オーロンゲの猛攻にセキタンザン、敗れる！！！
そして！2回戦全試合終了！続く3回戦からはついに！現メジャージムジムリーダーが登場します！〉



慌てて会場を出て控え室へ急ぐ。
次の試合がすぐ来るのを忘れて上で魅入ってしまった。


マクワさんももちろん強かったけど、マリィさんはそれ以上。


動きが違う。
威力が違う。
技の練度が違う。


以前対戦した時よりも強くなっていた。
倍。いやそれ以上に。



「フィ？」



隣を走るルニが楽しそうだねと笑う。
そうだ。楽しいんだ。



初めてバトルが楽しみだと思った。
あんなに嫌いだったポケモンバトルが。


自分の指示ひとつで、大好きなみんなを傷つけてしまう。
だから嫌いだった。


例えみんなが気にしてなかったとしても、
ひとりよがりのエゴだったとしても、


私が許せなかったんだ。



だけど、それでも、
バトルがしたいと思った。


あの大きな舞台で私とみんなの全力を見てほしい。
マリィさんとお兄ちゃんと願わくばお母さん達に。


そしてちゃんとごめんなさいって言いたい。



───友達になりたい。





〈お待たせいたしました！Bブロック３回戦、第１試合は！
スレナ選手対アラベスクタウンジムジムリーダーポプラ選手！
そして第２試合がマリィ選手対ラテラルタウンジムリーダーオニオン選手！どちらも激戦が予想されます！楽しみですねぇ〉



『ルニ、戻って』



深呼吸して息を整える。
まずは目の前の試合に勝つ。話はそれからだ。

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