カルミアは温もりを知らない８

343話 ページ15

どんどんと大きくなる光。
それを見れば二匹の力は明白だった。



どちらも引けない理由があった。
負けたくない維持があった。
叶えたい、願いがあった。



それでも勝負に勝敗は付きもの。



ガブリアスの身体がぐらりと揺れた。
しかしそれも一瞬で、すぐに立て直し、力を入れる。


が、その一瞬が勝負の分け目となった。


夜明けの空を照らす朝日のようにガブリアスを包む。





決して、どちらかが劣っていたわけではない。


数的有利はルミアの方にあったが、ライトもボロボロだった。
出せば一撃でやられていただろう。


最後まで、どちらが勝ってもおかしくない拮抗した勝負。


最後の最後で勝ちを引き寄せたのはルニであった。



「ガブリアス、戦闘不能！よって勝者、スレナ選手！」
〈Bブロック第２試合、手に汗握るバトルを制したのは、スレナ選手だァー！！！〉





・





会場中が大歓声で包まれる。
まるで決勝戦の盛り上がりだ。まだ第２試合だぞ。


ルミアもルニを抱き上げ、嬉しそうに笑っている。
ボロボロのルニも嬉しそうだ。


あんなに笑うルミア、久しぶりに見た。



「ルミア、大きくなったな。
……見ないうちに大きくなった」



となりでポツリと零した父親に驚きつつも頷く。



「親の飾りじゃないんだ。オレたちは」


「そうだな」



掠れた声で静かに認めたコイツの瞳にはホウリと言葉を交わすルミアの姿が映っていた。

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