126話 チョコ ページ38
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「それにしても、Aさんが教科書に載っている鬼殺隊の方だなんて......驚きですねぇ」
『まあ、そう思うのも無理ありませんよ。鬼殺隊が存在したとされてるのは昔のことですし、今は都市伝説と化してますもん』
ああいうの困るんですよね、とぼやくと、どうしてよ?とイリーナ先生が食いついてきた。
『だってですよ?
そういう噂で、こういう事したら鬼殺隊が現れる!、みたいなのがあったら、興味がある人は実践してしまうかもしれないでしょう?
その方法が夜中に人通りの少ない場所に行く、的な感じので、もしそこに鬼が現れたら被害が増える一方ですよ。
その逆もまた然り、鬼の場合も同じですよ』
また1つ、ため息をつくと、「あんたも大変なのね、このチョコでも食べて元気出しなさい」と労りの言葉を頂いた。
はい、と手渡されたチョコの包みを剥がし、ポイと口に入れてゆっくりと溶かしながら、その甘さを堪能する。
美味しい、癒される。
甘味が大好きな私は、すぐにチョコの美味しさにやられ、頬が緩んでしまった。
私の顔を覗き込んでいたイリーナ先生はそれを見て、
「やっぱり女は笑ってた方が可愛いわよ」
と言った。
私はそれに『ありがとうございます』とだけ返し、腰を椅子から浮かせる。そろそろ見回りの時間なのだ。
『では、私は山の方を見回ってきますね。
あまり遅くまで残らないようにして下さい』
「分かりました。Aさんも気をつけて下さいね」
『はーい』
イリーナ先生達に手を振って、校舎を飛び出す。
実弥さん達を見送った時よりも、空は真っ黒に染まっていた。
山の上の方だからか、人工の光が少ないからか、空に広がる星の数々の光がより一層輝いて見えた。
『わぁ......!』
口から吐息が1つ漏れた。
大正時代は当たり前のように見ていたけど、この時代になってからはあんまり夜空なんか見なかったからなぁ。見たとしてもこんなに綺麗じゃなかったよ。
数十秒、その美しさを堪能し、やる気パワーを満タンにする。
『よし、今夜もサクッと鬼を狩りますか』
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小桜(プロフ) - 黒姫の夢さん» 心優しいコメントありがとうございます!本当に励みになります。黒姫の夢さんも書いてらっしゃるんですね。応援してます(^-^) (2021年11月19日 22時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
黒姫の夢 - 更新、無理せずに頑張ってください。 とても面白かったです。 私も暗殺教室の夢小説を書いています。 体に気を付けてくださいね? (2021年11月19日 22時) (レス) id: 89b081aabc (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - おもちさん» コメントありがとうございます。更新楽しみにしてくれているのに、全然できなくてすみません……。来週テストが終わるので、その時は沢山更新します! (2021年11月12日 19時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 更新楽しみにしています!テスト頑張ってください (2021年11月12日 19時) (レス) id: 31f3b0e2bf (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - カンナさん» コメントありがとうございます。もうすぐテスト期間に入りますので遅くなるかもしれませんが、精一杯頑張って更新します! (2021年10月30日 12時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小桜 | 作成日時:2021年10月8日 22時