Chase you―κ ページ35
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最初は、ほんの些細な喧嘩だった、はずだった。本人達にとっては重大極まりないものであったが。
"＿＿＿＿＿大人になったら離れ離れになっちゃうのかな
＿＿＿＿＿＿＿ずっと一緒がいいなあ。しーちゃんの絵ずっと見たいよ！
＿＿＿＿＿＿…そういう話じゃあないよッ
＿＿＿＿……しーちゃん？"
シエラは当時、進路に迷っていた。両親から進められた進路と、進みたい進路が食い違っていたのだ。
決して両親は悪い人ではない。むしろ、その逆。
だからこそシエラは返すべき恩義と己の夢を天秤にかけて、どちらが重いか測りかねていたらしい。
そんな不安が生み出した喧嘩だった。
後に謝ろうと思っても、意地と罪悪感と己の惨めさがそれをせき止めてしまっていた。
ふたりの喧嘩から2日過ぎた頃。
Aはふと、下校中にシエラを目にした。車椅子で自走しているのかと思いきや、誰かに押されていた。
誰なのだろうか？少なくとも、シエラの両親ではなかった。
ふたりの姿が、路地裏に消える。
意地を張って帰宅し、そのまま日常を過ごそうとしたAだったが…、しだいに不穏な予感に駆られて、先の路地へ踏み入った。＿＿＿＿＿＿＿だが、
もう少し。もう少し、早ければ。
"＿＿＿＿＿ねえ、そこにいるんでしょ？ごめん…、謝るよ……だから、お話したい…よ……
＿＿＿＿＿＿…しー、ちゃん？"
あんなことにはならなかったろうに。
##
結果的に言えば、シエラは死んだ。
Aのスタンド＿＿＿マジシャンズ・ブルーによって塵も残らぬ状況から再生された＿＿＿＿＿。
という事実だけならば、まだいい。
だが再生が遅れたばかりに、シエラは両腕を完全に消失したのだ。
そこから先はあっという間だった。彼女の精神は壊れ、静かに延命治療を受けるだけの生命となった。
そんな状況にシエラ自身も辟易としたのか、自 殺した。
点滴不足だった。
"＿＿＿＿＿＿＿……もう、いいよ"
彼女の鼓動が絶えるその瞬間まで、Aはシエラの側にいたという。
##
Aは人の魂を侮辱する行為が大嫌いである。
故にシエラを再生することは、ついぞなかった。できる筈もなかったのだ。彼女が死を望んだのならば、と……。
…Aも、もう疲れていた。考えることをやめ、彼女の赴くままに、自 殺を手伝ったのだ。
彼女に残ったのは、無力感と復讐心だけだった。
＿＿＿＿＿＿そして今もなお、復讐心は煮え滾るばかりであろう。
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匿名希望の松尾です(プロフ) - イチジク最高！イチジク最高！……意外！それはチェン◯ーマンッ！ 読んだ瞬間、既に右の★とお気に入りに触れていました…(訳：最高に面白いです) (2022年8月2日 18時) (
レス) @page9 id: 8195809f5d (このIDを非表示/違反報告)
おそら - おもしろいです！ (2022年7月31日 15時) (レス) id: bee8fdeca4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：飽き性星人 | 作成日時：2022年7月27日 7時
