すきで、好きで。

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Aside





「「海ーーー！！！」」





毎年恒例になってる三人での海水浴。



⋯二人すごくはしゃいでる⋯
若いな⋯



２０代の頃までは毎年楽しみにしてたけど、
さすがにここ２、３年はなんだか水着も気後れするし行くの億劫だったんだけど⋯



パラソルの下で一人



宏光とさくらがはしゃいでるのを眺めてるだけでも悪くないな、なんて。



真っ青な空の下
白い砂浜で水着姿の宏光を自然とロックオンしちゃう。




さくらの水着、今年も攻めてるなあー。
宏光、あんなさくらの水着姿見て好きになっちゃわないのかな？可愛い過ぎるんだけど。




こうして見てると宏光とさくらって
二人共アウトドア好きだし
元気でフットワーク軽いし
似てる所たくさんある。



なにより、海に入ってきゃっきゃっ言いながら水を掛け合う二人がお似合い過ぎる。




「楽しそー」



パーカー着て大きな麦わら帽子を被って
傍から見てる私は
もはや恋愛戦力外のおばあちゃんて所だな。



今日は風も気持ちいいし
波の音も手伝って眠くなって来ちゃった。







・







「⋯さん、⋯お姉さんっ」



⋯ん？
わ、ほんとに寝ちゃってるしっ！



パって顔上げると
宏光とさくらが可笑しそうに覗き込んでる。




「お前な、こんな所まで来て寝んなっ。」



「そーだよー、こんな所で一人で寝てたら誰かに襲われちゃうよ？」



「⋯そんな訳ないでしょ」



誰がこんな所まで来て全身日焼け対策してる女に興味持つのよ。



「しかもなんだ？その色気のない格好。ここどこだと思ってんだ？海だぞ？うーみっ！」



⋯私にこのパーカーを脱げと⋯？
それ誰か見たいの？



「いいでしょ？日焼けしたくないの。」



「もう！Aちゃん、ちゃんと日焼け止めクリーム塗ってあげるからそのパーカー脱いでっ？」



へ？！



「いや、塗って来てるよ､？」



必死に説明する私を他所にパーカーを脱がしにかかるさくら。
可笑しそうにそれを見て声上げて笑ってる宏光。



ほんっっきで見られたくないんだけど？！
なんの見世物よ？！

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