すきで、好きで。

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Aside



えっ？！



さくらが、気付けば藤ヶ谷さんの手によって連れ去られたっ！




宏光を見ると
宏光自身もまだ何が起こったか理解出来てないみたい。






「⋯どういう事⋯？」



無意識に出た言葉に宏光かハッとしてる。



「ちょ、あれ？あ？！はぁーーーーーっ」



大きいため息をついて、その場にうずくまった。



「⋯藤ヶ谷さん、さくらの事、好きって事なんだよね？」



自分の頭を整理する意味でひとり言のように呟く私に



「あいつ⋯っ、急になんだってんだよっ、、」









⋯思った以上に宏光が取り乱してる所を目の当たりにして確信しちゃった⋯。




やっぱり宏光はさくらが好きなんだって事に。




いつからだったの？
だから彼女と別れたの？
聞きたい事は山ほどあるのに



「⋯追いかけなくてもいいの？」




なんて⋯




目の前で好きな子が連れ去られたんだよ？
しかも二人は両思いじゃんっ。
早く奪い返しておいでよ⋯！



心の中で一生懸命、宏光に話しかけるのに
それが声にならない。



事実を突きつけられて打ちのめされた私は目の前で項垂れてる宏光を呆然と見つめる事しか出来ない。






「⋯追いかけたってオレ邪魔なだけだろ？」


落胆から一点、不機嫌きまわりない宏光。



「⋯でも、さくら、嫌がってるかもしれないよ？」



「嫌がってるやつを力ずくで連れてったりしねーだろ、藤ヶ谷も。」




⋯そうだけど
普通あそこまで強引に来られたらなかなか断れないんじゃないかな？



「あー！！せっかくの美味いカニが台無しだなっ。ムカつくからあいつらの分全部食べちゃおうぜっ。」



なんて急にガツガツと食べ始めてる。






⋯ねえ？宏光、あんた頑張んなさいよ。
さくらも宏光の事好きなんだよ？
ここで呑気にカニ食べてる場合じゃないでしょ？









⋯応援してあげるからさ。

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