【おそ松さん】青い傘

二話 ページ2

青い傘をどうすることも出来ないまま遂に一週間が経ってしまった


結局この一週間も渡せなければ彼は非常に困ることだろう


実行能力のない私を誰か殴ってくれ…



『あつ…』


今までずっと雨だったのに、
今日は昨日までの雨が嘘のように青い空が広がり
強い日差しが顔を覗かせている


暑いせいか自然と喉も渇き、足も自然と学校の陰にある自動販売機へ運ばれた



「……〜！………？……、………〜！」


飲み物を買い終わると何やら声が聞こえる

それはゴミ収集場で、今まで行ったことのないところ


チラッと顔をのぞかせると分厚い本を片手にもう片方の手は腹に当て発生の練習をしているようだ


太く芯のある低い声は自然と耳から心へ通って行くようで聞き入ってしまう

同時にどこかで聞いたことのある声


『あっ…青い人』



疑問の答えを口に出したところで私の声が聞こえたのか青い傘の彼が振り返った



「あ、君は…」

しかしそこまで喋ったところで彼の顔は赤面した


本を閉じ私の横を通り過ぎた後慌てて走っていく


『……傘渡しそびれた！』

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