【おそ松さん】青い傘

一話 ページ1

梅雨に入ってからというもの「曇り」と呼べる日はなく、ずっと雨が続いていた


青い傘を貸してくれた彼の名前はなんだろうと考える日々が続く

そうだ、丁度彼が傘を貸してくれた日から梅雨入りした


彼は傘がなくて平気だろうか、それとも別のものがあるのか、


あの青い傘には「松野」というシールが貼ってある。きっとそれはあの人の名字だろう


そしてまだ私の出席番号の傘立てのところに置いてある


つまり彼は青い傘がない


だから先ほどの心配が頭をよぎる
傘あるかな、と




風邪をひいていなければいいんだけど



私は未だ彼に傘を返せていない

否、話しかけることができないから




だって



彼は6重人格だ。

いつも人が変わっている



赤いパーカーを着ているときはおちゃらけてて、
緑のパーカーを着ているときはなんだか慌ただしくて、
紫のパーカーを着ているときは怖くて、
黄色のパーカーを着ているときは別の意味で怖くて、
桃色のパーカーを着ているときは女の子みたいでかわいい。



そして貸してくれた傘と同じ色のパーカーを着ているときはあの時のままのよう


あの時のあの人を見ることなんて滅多にないのだ

話しかけれるわけがないでしょう？

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