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重種、中間種、軽種の順に低くなっていく階級において、キセキの世代と呼ばれるメンバーは、全員が「重種」と呼ばれるトップに位置している。
そして、中間種の黄瀬にとっては腹立たしいことに、灰崎祥吾は重種だった。

階級が上位のものは、その気になりさえすれば下位の者の意志を無視して、操り人形にできる。
サル相手ともなれば、強制的に意識を失わせたり、記憶を覗くことも可能だ。
それ以外にも稀有な能力を多々持ち合わせる重種は、代償としてか、出生率が極端に低い。
重種の血筋を後世に残すために、ありとあらゆる手を尽くせる人間というのも限られているため、自然と重種のいる家は富裕層かつ、代々続く名家に絞られていった。

俗な言い方をすれば『レアもの』であるが故に尊敬されているキセキだったが、それ以上に『逆らうとどうなるか解らない』という本能的な畏れも抱かれている。
キセキの中でも、その理由で最も恐れられているであろう灰崎は、しかし周囲の不安に反して、誰かを階級の力で屈服させることはなかった。

灰崎とは幼い頃から水と油の仲である黄瀬ですら、未だに彼が本気で怒ったことを、それこそ能力を使ってまでこちらを叩きのめそうとした姿を、目にした試しが無い。
その余裕がまた気に食わず、黄瀬は度々灰崎の煽りに乗ってしまう。

悪循環だ。
不毛でみっともないと頭でわかっていても、灰崎にだけは、珍しがられ、その上遊ばれているなんて、どうしても認めたくなかった。

「先輩待たせるのもマズいし、やっぱりちょっと様子見て来てもいいスか?」

そんな様子をおくびにも出さず、黄瀬は努めて軽く提案する。

「それじゃ、私もついてっていい?」
「危ないかもしれないんで、和泉っちは待ってて」

たった今、中間種の緋那と睨み合っている生徒は、キセキと同じく重種だったはずだ。

日本に住んでいて、サルではないなら、『キセキ』を敵に回すことがどういうことか、知らないわけでは無いだろう。
それを分かったうえで、入学初日からこんな冒険をやらかすような人間の、しかも強力な重種の元に和泉を引き出すのは、流石に気乗りしなかった。

教室の戸から廊下に漏れ出ている殺気は緋那のもので、今のところ例の重種は大人しくしているようだが、相手の前情報が少ない分、どうなるともわからない。

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設定タグ:黒バス , 黒子のバスケ , 悪女主   
作品ジャンル:アニメ
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心音(プロフ) - 感動の一言です。面白さもあるなかでの、作品の静かな雰囲気が本当に素晴らしいと感じました!更新、楽しみにしてます! (2015年6月28日 9時) (レス) id: da51ec7942 (このIDを非表示/違反報告)
www - でもが2回も続いてしまいました(汗すみません… (2014年12月26日 15時) (レス) id: 923386029d (このIDを非表示/違反報告)
www - ひぢのさん» そうですよね!あ、でも作品ほとんど消えてしまってて…。せめて残して欲しかったって言うのは私の我儘ですかね…。でも、その人がいるサイト分かったので行きます。ひぢのさんの小説もちゃんと読みます(ニコッ頑張って下さい!ランキングとかに乗るといいですね (2014年12月26日 15時) (レス) id: 923386029d (このIDを非表示/違反報告)
ひぢの(プロフ) - wwwさん» 作品を書くのがお好きな方でしたし、ガッツもありましたから、きっと裏切り云々の規約のない新天地で返り咲いてくれることでしょう。占ツク時代の作品のタイトルなどを頼りに、探してみることをお勧めいたします。 (2014年12月26日 15時) (レス) id: e3c5154d5f (このIDを非表示/違反報告)
www - 裏、切りの小説が少しでも減って皆で楽しめるようになるといいですね! (2014年12月26日 15時) (レス) id: 923386029d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひぢの | 作成日時:2014年12月25日 5時

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