運命の糸は知っている[上杉和典]Season２

７０紡ぎ目 ページ23

上杉side



若｢二人遅いな｣



少しイラつきながら若武が言った。

その態度に黒木は苦笑いを浮かべる。



黒｢若武先生、女子はこういう準備に時間がかかるもんだぜ｣


七｢どうせ立花と天海夜の水着姿が早くみたいだけだろ｣



七鬼が茶化すと、単細胞のそいつは分かりやすく顔を赤くさせた。

ま、半分は共感できるけどな。


平然を装ってはいるものの、心臓は今か今かと待ちきれないくらいうるさい。

天海夜は普段、あまり露出の多い服を着ないらしい。

だから、すっげー気になる。


みんなを見回すと、人のこと言えないくらいに期待しているのが分かる。



立｢あれ、もうみんな来てたんだ｣


貴『...思ったより遅かったわね』



全員で声がした方を振り向くと、水着に着替えた女子二人。

...やばい、普通に可愛い。



小｢二人とも、すごく似合ってる！｣



小塚の言葉に、男子たちは一斉に頷く。

それに対し、女子はちょっと恥ずかしそうに顔を見合わせた。



若｢よ、よし！全員揃ったことだし、思いっきり遊ぼうぜ！｣



その言葉を合図に、みんな海に走り出す。



貴『...上杉、行かないの』



固まったままの俺を不思議に思ったのか、天海夜が顔を覗き込んできた。

近くで見ると、やっぱ顔立ち整ってるな。


つーかこれ、言った方がいいのか？



貴『上杉？』


上｢...あの...｣


貴『...？』(ｺﾃﾝ



首傾げるな、俺の心臓が持たん！

心のなかでそう叫んで、勇気を出して口を開く。



上｢水着、すっげー似合ってる....///｣



あー、カッコ悪ィ。


俺の顔、絶対真っ赤だ。

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