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『...別に、知り合いだけど』


「男だろ?」


『そうだけど、ただ話してただけだから』



スマホの電源を切り、名前が見えないようにする。

それが不服だったのか、一也がギッと音を立ててベットに乗り上がった。

それに伴い、私もジリジリと後ずさる。

しかし、すぐ壁に背中がついてしまった。


横から逃げようとすれば、一也がドンッと両端に両手をついた。

顔を近付けられ、その茶色の瞳にじっと見つめられる。



『ちょっと...』


「誰と何話してた?俺に言えないこと?」



「なぁ」と、一也の声が低くなる。



『そ、そういうわけじゃなくて...』


「じゃあどういうわけ?」


『何でそんなに怒ってるの...?』


「...何でだと思う?」


そんなの、分かるわけないじゃない。

そう言う前に、一也は私の首元に顔を埋めた。

途端噛まれたような痛みが走り、思わず身体がビクッと跳ねる。



『いっ...!ちょっと、一也!』


「嫌なら話せよ。別にいかがわしいことじゃないんだろ?」


そう言って私を見上げる一也の目は冷たい。

私の心にグサリと突き刺さるような、そんな目。


その目がいつかに襲われた男達の目と重なって、

次第に身体が小刻みに震え出す。



『一也、離してっ...!』


「お前が教えてくれないのが悪い...って、何で泣いてんだ...!?」



私の目からこぼれ落ちた涙を見て目を見開いた一也は、

慌てて私から離れて顔を覗き込んだ。



「わ、悪ィ!噛んだのそんなに痛かったか!?」


『だって、一也があの男達と同じ目してるから...』



"あの男達"というワードが誰を指しているのか分かったのか、

一也は罰が悪そうに顔を歪めた。



「俺、アイツらと同じ事してたんだな...本当にごめん」



静かにそう言った一也は、これ以上私を怖がらせないためか、

いつもよりゆっくりと私を抱き寄せた。



『...さっきの話』


「うん」


『あれ、一也のことなんだけど...』


「...は?俺?」



涙混じりに伝えた私の言葉に、一也はぽかんと口を開いた。

・→←勘違い



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桜餅(プロフ) - 藍こさん» 安心してください。私が黒歴史公開してる時点で大変なことになってるので←(そういうことじゃない) (2020年10月14日 19時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
藍こ(プロフ) - 私が描くのですか???まさかそういう方向にもっていかれるとはwwwやめておいたほうがいいですよ!大変なことになっちゃいます! (2020年10月6日 14時) (レス) id: b64ba8aeaf (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - そるとさん» 全然大丈夫です!描いていただけるだけでもう嬉しいので!!神イラスト楽しみに待ってますね\(^▽^@)ノ (2020年10月5日 23時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
そると - 桜餅さん» 10/5は夢主さんの誕生日ということでイラストを描いているのですが、当日に間に合わなさそうです…(泣)すみません…近日中に申請してURLを貰ってきます! (2020年10月4日 20時) (レス) id: 46a8a6322a (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 菜々子さん» そのストック全部送ってくださいませんか_| ̄|○(土下座)私も菜々子さんの小説の更新wktkしながら待ってますw菜々子さんのとこの夢主さんが可愛いんじゃ(* ̄∇ ̄*) (2020年10月4日 19時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜餅 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti  
作成日時:2020年6月11日 21時

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