腐男子は見るだけで結構です【オリBL】

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太陽side。






「ンー！！ン、ンン！！！」








あの後、冷静になって家に帰ろうと思った。もう、Aは帰ってるだろうし、外に居ても寒い。



一歩踏み出した時、誰かに強く腕を握られた。





それがこのAが大好きな秋川先輩。





いつものような余裕の笑みで「付いてきて」と耳元で囁き、俺の断りも聞かずに勝手に中に連れて行かれた。



問い詰めようとした瞬間、口にタオルで抑えられ、話せないようにされるし、腕も同様にテープで固められた。







「あ、ごめん。話せないよな」







そして、その一言によりやっと開放した。









「おい！！秋川先輩どういうつもりだ！！」

「そんなに怒らないでよ？泣いてるところを助けてあげたのに」

「助けたも何も誘拐したくせに」







何で、こっちがこんなに怒ってるのに、笑顔なんだ。


意味がわからない。








「大体、もう夏井くんは帰っていいよ」

「……は？」








突然、訳もわからず連れて来られて、それなのに帰れって？


マジで何がしたいのか分からない。







「お前、どういうつもりなんだ」

「Aが好きなだけだよ」






は？





好きって秋川先輩が？

え、推しCPが両想いで嬉しいのも半分、俺が叶わない辛さに半分。


本当に、感情がごちゃごちゃで、自分なのに意味不明だ。








「恋愛の意味で？」

「うん。正直１番の敵の君がこんなふうに馬鹿なことをしてくれたおかげで助かったよ」

「…なんで俺がしたことを」

「そりゃあ、Aの表情を見たらわかったよ」








Aの表情？


こいつ、Aのことを見たのか。

でも、いつの間に…。







「とりあえず早く帰ってくれないかな？いくら俺が一人暮らしだとしても、近所の迷惑になるし」

「お前が連れてきたんだろ！！」







そして、捨てられるように外に出された。




あいつ…やっぱり俺の予想通り実はドＳだったんだな。

でも、今は萌えとか呑気に言ってる場合じゃない。



明日の図書当番、前に聞いたところ秋川先輩とA、二人だったよな…。





悩み事ばっか増えていく。

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