木漏れ日の調 ページ14
そこは白を基調とし、
カーディナルレッドの椅子や
木製の光沢のある家具が 置かれていた。
大きな窓から差し込む光で彼の部屋は輝いているようだった。
『来客には紅茶がいるね 少し待ちたまえ』
そう言って、リビングだと思われるこの部屋から出ていった。
もう一度部屋を見渡せば、
マネキンのようなものが3体...
思い出した、
服を作る時に必要なトルソーだ。
色や柄が異なる布を収納している棚からは、
いくつか布が溢れだしている。
棚のそばにある机には
遠くからはあまり分からないが、
服の型紙やデッサンの用紙が散らばり
寸法を測るメジャーが落ちている。
とても大変な時期にお邪魔してしまったのではないかと 申し訳なくなった。
『あぁ......』
声がしたので振り返ると、
彼が 両手にティーカップを持ちながら
しまった という顔で立っていた。
『僕としたことが、部屋をそのままにしてきてしまったようだ。』
私に投げかけたのか、それとも独り言か。
どちらかは分からなかったが、
彼はとても慌てているように見える。
「私は気にしないですよ...?」
彼を絵に描ければ
どこでも良かったのが私の本音。
しかし、彼はカップの中身が揺れるほど
『ノンッ!ダメに決まっているだろう!』
と大きく目を開き叫んだ。
『部屋も整っていれば、頭の整理もつくのだよ。』
目を伏せて、彼は言う。
「それはそうですけど...」
絵を一刻も早く描きたいが、
他の人の家で急に描き始めるのも
失礼かと思って
描きたい衝動を抑えている今
彼のペースに合わせていると、
日が沈みそうだ。
『絵ならどこでも好きな場所で描きたまえ』
とは言っても 選べるほど広くはないけれどね
そう言って、彼は散らかっていた場所を片付け始めた。
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蒼也souya(プロフ) - 天使ちゃんさん» 天使ちゃんさん、はじめまして。感想ありがとうございます。クロワッサン買う場面はわたくしもお気に入りです!ありがとうございます。続きも楽しんでいただけたら嬉しいです! (2023年3月26日 14時) (レス) id: 2dcf8a9402 (このIDを非表示/違反報告)
天使ちゃん - 初めまして!わたしは、宗先輩推しなんですがクロワッサン好きなんですよ!どうでも良いと思うけど推しが好きな食べ物を買うって言う話最高です!では、続き楽しんできます!! (2023年3月26日 14時) (レス) @page26 id: f37909bd7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼也(souya) | 作成日時:2021年5月6日 2時