俺たちの姫 42 ページ10
Aside
「カッカッカッ……♪やっぱり僕の見立ては間違ってなかったようだね」
私の目の前で上機嫌にソファーに身を沈めるのはこのドレスを作った張本人、斎宮宗。
あの後すぐに宗が来て確認するも、特に微調整するところもなかったようで。本来ならばそれで終わりなのだが、宗が
「君が僕のドレスを着ている姿を目に焼き付けておきたいのだよ。なんせ君はドレスを着る機会が数える程しかないのだからね」
と恨めしく見つめてくるものだから、その視線に耐えきれず、今すぐにでも脱ぎたいこの綺麗なドレスを着て未だ生活しているのだ。
「あのなぁ、宗。まだ招待状も来てない状況なんだからそんなに完成を急がなくても良かったんだぞ？」
「ふんっ、僕が作りたいものを作って何が悪いんだい？」
「…………まさか、他の客の注文よりこっちを優先して作ったのか」
それは他に頼んでいた人達に申し訳ないことをしたな。宗の店は店主の傲慢な態度さえ耐えられれば最高級の作品を提供してもらえる、と巷で人気の店だ。
他国にも輸出しているほどで、輸出する量は少量ながらもうちの国の貿易に大きく貢献している。(後から聞けば、この時の次の予約は1年待ちだったのだとか)
「………ところで、今日の護衛はあの金の騎士ではないのだね」
金の騎士……あらしのことか。
今はあらしも誘拐未遂事件の方に回っていて居ない。今日の護衛は、
「御挨拶もせずにすみませんでした。
私は朱桜司と申します。以後お見知り置きを」
宗の感性から言えば、つかさは……赤の騎士だろうか。千秋のよく言う『正義』の色が良く似合う真面目な青年だ。
最も、私は未だにつかさの中で「逃走癖のある面倒な依頼人」の位置から抜け出せていないのだが。
「つかさ、ずっと立ちっぱなしは疲れるだろう？こっちに座るといい」
「いえ。今は勤務中ですので」
「茶菓子もあるぞ？」
「………………大丈夫です」
食べたそうだな？とくすくすと笑いを零せば、目付きを鋭くさせて顔を赤くするつかさ。
構いたくなってしまうのはその末っ子気質のせいだろうか。
「Aが好みそうな少年だね」
宗がぽつりと呟いた言葉につかさは更に顔を真っ赤にさせる。
「なっ……！」
「だろ？これがまたからかうと可愛いんだ」
「ｯ姫様！」
「ふふ、冗談だ」
.
優雅に紅茶を楽しむ仮の主人と不思議な雰囲気の客。
司にとって変に居心地の悪い空間は他の騎士達が帰ってくるまで続いたという。
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のん！ - この作品大好きです！！更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2020年11月7日 10時) (
レス) id: c2d5ae3557 (このIDを非表示/違反報告)
のん - とっても面白いです！続きがとても、楽しみです！ (2020年10月14日 4時) (レス) id: 49147fff59 (このIDを非表示/違反報告)
餅すけ - 続きをすごく楽しみにしています！！更新は大変だと思いますが。頑張って下さい！！応援しています！！！ (2020年8月6日 21時) (レス) id: e704f87021 (このIDを非表示/違反報告)
リオン - 更新大変だと思いますが、無理のない範囲で更新頑張ってください。この作品大好きです！！！！！ (2020年8月6日 21時) (レス) id: e704f87021 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - とっても面白くて、続き楽しみにしてます！ (2020年2月14日 4時) (レス) id: 6241f35e59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マヨネーズ | 作成日時：2018年12月22日 17時
