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・・・
「さぁA様。どうぞお食事でも」
「…今お腹空いていないので、後ほどいただきますね」
たくさんの食事が並ぶテーブルの前に座らされる。
食事は本当にAの好物ばかりで、何も知らなければ食べていたかもしれない。
「本題をお願いします。なぜ私はここに？」
さっさと話を終わらせて帰らないと、多分皆が心配する。
Aは目の前にいる男に問う。
男は微笑むと、手に持ったフォークでテーブルの肉を刺した。
「特別な力を持った半神。貴女は今、自分がどれぐらい有名な方かご存知で？」
首を横に振る。
男はそのまま続けた。
「神でさえ、数が増えて手を焼いてる魔物。その魔物を狩る犬どもの飼い主様。そして…魔物に堕ちた神使を元に戻したとか！」
興奮したようにそう言う男にAは眉を寄せる。
神使たちを「犬」と呼ばれたことに腹を立てた。
「おっと失礼しました。失言でしたね」
「それで、それがどうしたんでしょうか」
不機嫌な態度を隠すことなく告げると、男はさらに盛り付けた料理をAの前に置いた。
「魔物になっている者を元に戻せる。それなら『私達』のような死者を生者に戻すことも…貴女なら可能ではないかと」
「………は？」
真っ直ぐAの目を見る男。
冗談で言っているようには見えない。
だが、まともなことを言っているようにも見えなかった。
「私達は黄泉から出たい。しかし、生者でなければ黄泉からは出られないのです」
「……死者を蘇らす…正気の沙汰とは思えませんが」
そう言うと、男は微笑む。
「それは人間の方の貴女の解釈ですか？」
いちいち棘のある言い方をする男。
仮にできたとしても、人にものを頼む態度ではない。
「できません。それに、正確に言えば魔物になったのではなくなり掛けて…」
「それは、やってみないと分からないですよね」
首を傾け、目を見開いた男は急に真顔になった。
そしてそれを皮切りに無数から見られている気配が濃くなり、部屋の影から死装束を着た人物がたくさん出てくる。
「…っ！」
立ちあがろうと椅子に手を掛けた瞬間、ガシッと両手首を握られる。
「イザナミ様が帰られるまで時間がありません。さぁ、やってみせてください。その神聖な力を、我々に」
男の手からは、蛆虫が沸いていた。
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味鈴(プロフ) - 色樹さん» 色樹さん ありがとうございます！マイページに頑張らさせていただきます。 (8月12日 14時) (
レス) @page19 id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
色樹 - すごく面白かったです!体調を崩さないよう頑張ってください!!!!!! (8月5日 20時) (レス) @page7 id: 09f29be611 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - にこげさん» にこげさん 誤字報告ありがとうございます！訂正致しました！ (7月6日 20時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
にこげ(プロフ) - 更新お疲れ様です！最新話のよもつへぐいが一部よもつべぐいになってますよ〜！ (7月6日 19時) (レス) id: 4a884aada1 (このIDを非表示/違反報告)
いちごおしちゃん☆(プロフ) - 短編も面白いです！次の更新が楽しみです！体調に気をつけてこれからも頑張って下さい！ (7月5日 20時) (レス) @page22 id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年6月29日 21時
