【イナGO】魅惑の少女【究極の絆グリフォン】

27 ページ28

シュウside
・








シュウ『君はどうしてあんなことを続けるの？』





同じ崖の上で彼女とまた2人で島の景色を眺めていて

僕は実は彼女の特訓を見に行ったことを伝え、
彼女に聞いてみた。



彼女は少し驚きながらも寂しそうに笑って
夜空を仰いだ。






シュウ『あんな特訓してたら君はいつまでたっても苦しいままだ』





シュウ『違う方法があるんじゃない…？危険すぎるよ』





シュウ『…死なないで』








“大丈夫だよ”



彼女はそういうばかりだ。

僕の心配も他所に彼女の体には日に日に傷が増えていった。





彼女は何も言わずに涙を流すんだ…


“苦しい”とも“辛い”とも言わずに涙をこぼすんだ。

必死に上を見て無理に笑うんだ。




僕はそれをどうすることも出来なかった…
自分の無力さを思い知った。


僕は彼女になにか出来ないかと考えて…彼女と同じ訓練施設に入ろうと押しかけた。






シュウ『…君だけに苦しい思いはさせない』

と。
それが彼女の心の支えになるものだと勝手に思い込んでいたんだ。



昔…大切な人を守ることが出来なかったから。
今度こそは…彼女を守るために！って意気込んでたんだけど…






……追い出されてしまった。


“アンタはここには必要ない…！！”
ってね。


彼女は、僕の心が弱いことを見抜いていたんだ…

僕は昔と変わらず弱いやつだった…




その時思ったんだ。


強くなければ何も守れない。








松風「…ほんとに、そうなのかな？

きっとその子はシュウに傷ついて欲しくなかったんだよ！だからシュウは弱くなんかない！」




シュウ「……強くならなくちゃ意味が無いんだ！！！！」







僕は手に持っていたボールを蹴りあげる。







松風「！…シュウ？」







強くなって…僕は彼女を守らなくちゃ。


彼女は誰も頼らないから…せめて僕が彼女の力になりたいんだ…ｯ








シュウ「…Aｯ」

28→←26

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す